2007年12月01日

ドブガイB型=タガイ

ドブガイには、繁殖期などの違いなどからA型=ヌマガイ、B型=タガイ、C型=フネドブガイという分類があるのですが、個々の差異(外から見た形状の個体差)が著しいこともあり“ドブガイは1種の同種異名”という見解が今の主流のようです。私は素人ですし、前者にならいたいと思います。

庄内でタンケ、内陸でカラスガイ、と呼ばれているドブガイですが、山形県内で普通に見かけるドブガイは、ドブガイB型=タガイです。

ドブガイB型=タガイ


ドブガイB型=タガイの貝の形は個々の差異が著しく、イシガイみたいに横に長いにもあればドブガイA型=ヌマガイのような扇状のもあります。

ブラックバス駆除で水抜きされ、関係者に「恐ろしく単純な生態系」といわれた鶴岡市大山地区の「十の沢ため池」では、ドブガイA型=ヌマガイに似た形状も見受けられますが、十の沢池の中をぐるり見て廻った結果、全部ドブガイB型=タガイでした。

ドブガイB型=タガイ


ドブガイA型=ヌマガイとの違いが判り易い写真が無かったので、岡部夏雄著『庄内淡水魚探訪記』に掲載されていた画像を紹介しますので、見比べてみてください。ドブガイA型=ヌマガイは、シジミやホタテを大きく膨らませた感じです。

ドブガイB型=タガイ


下記は、インターネットに掲載されていたドブガイの説明ですが、
ドブガイB型=タガイは『通常は殻長10cmを超えない』
ドブガイA型=ヌマガイは『殻長は最大で20cmを超える』
という記載に注目して下さい。

冒頭、山形県内で普通に見かけるドブガイは、ドブガイB型=タガイです。と書きましたが、昔は20cm近かいサイズ=辞典サイズのドブガイが、普通にみかけられた気がしています。「十の沢ため池」にも20cm近かいのが普通に在ったんですよ、ブラックバス駆除で水抜きするまでは!

子供のころ、ヤリタナゴが棲む水路には20cmを越えるドブガイが、筍のように、泥から突き出ていました。現在は水路がコンクリート張りで泥が浅くなり、辞書サイズの二枚貝は珍しくなりましたが、サイズから判断すると、昔のはドブガイA型=ヌマガイだったのでしょうか。その水路は、現在ではコンクリート張りとなり、確認できません。それとも、米どころ庄内平野のドブガイB型=タガイは、他の地域より大型だったのかな。(笑

みなさんの記憶にあるドブガイのサイズは、どの程度でしたか?(^^)



ドブガイ  学名 Rhodeus ocellatus ocellatus
生息環境によって殻は、卵形や長卵形などに多様に変化し、その色も茶褐色や黒褐色などに変化するため、判別しにくい種です。以前は、タガイやヌマガイ、フクレヌマガイなどと、殻各部の計測値の比率などの違いで細かく分けられていましたが、これらを「ドブガイ」として1種にまとめることになりました。そのため、タガイやヌマガイなどはドブガイの同種異名ということになります。また、ドブガイには春と秋の繁殖期により、A型とB型に分類されA・B2つのタイプがあります。
<A型>
止水域の砂泥底を好み、殻はやや卵円形で、膨らみがあります。
殻長最大で殻長200mmに達します。
春〜夏にかけて繁殖し、この1繁殖期に1回しか産卵しません。
<B型>
湖沼等の止水を好み、殻はやや長卵形で平たい形状をしています。
殻長最大で約100mmと、A型に比べ小型です。
繁殖期間は一年中で複数回の産卵が可能です。
http://oo.spokon.net/yasu/kai/nimaigai.htm#dobu


タガイ Anodonta japonica Clessin, 1874
シノニム :Anodonta woodiana type B
形  態:殻は長卵形で,膨らみは弱い。通常は殻長10cmを超えない。
生息環境:溜池や用水路の砂泥〜軟泥底に生息している。
繁殖期 :一年中。1繁殖期に複数回妊卵する。
宿  主:ヨシノボリ
環境省カテゴリー:なし

ヌマガイ Anodonta lauta Martens, 1877
シノニム :Anodonta woodiana type A
形  態:殻は卵円形で,やや膨らみがある。殻長は最大で20cmを超える。
生息環境:溜池や用水路の砂泥〜軟泥底に生息している。
繁殖期 :春〜夏。1繁殖期に1回しか妊卵しない。
宿  主:ヨシノボリ
環境省カテゴリー:なし
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kondo/unio/dobu.html

マルドブガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24559.html
ドブガイA型=ヌマガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24481.html
ドブガイB型=タガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24373.html
ドブシジミ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24085.html
イシガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23929.html
ヨコハマシジラガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23872.html
マツカサガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23769.html
カラスガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23728.html
タニシ(マルタニシ、オオタニシ、ヒメタニシ)
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24181.html


タグ :

同じカテゴリー(その他07)の記事画像
冬の読み物.1
コクチバス.2
コクチバス
鶴岡公園の貝
大山の下池水路
十の沢池の用水路
同じカテゴリー(その他07)の記事
 冬の読み物.1 (2007-12-14 07:08)
 コクチバス.2 (2007-12-13 07:31)
 コクチバス (2007-12-12 03:29)
 鶴岡公園の貝 (2007-12-10 07:29)
 大山の下池水路 (2007-12-09 21:59)
 十の沢池の用水路 (2007-12-08 21:19)

Posted by さくら at 00:17│Comments(3)その他07
この記事へのコメント
おおっ、タンケです、タンケ!懐かしい!!
私が小学校の頃に学校回りの用水路で”釣って”いたのは、長さ10~15㎝位で、
扇型ではなく横に長かったと記憶しています。
学校帰りに道草して、川面を覗き込んでタンケの空気穴を探したのを思い出しました(^^)
Posted by はらほろ at 2007年12月01日 22:55
はらほろさんに同じく、私も横長の「ドブガイB型=タガイ」と思われる貝を釣ってました。
庭の池に放され、そこでも、竹ボウキを折ったヤツを殻の隙間に差し込んで釣って遊びました。
大きさは10cm以上あった気がします。子どもには大きく見えたのかなぁ?
Posted by しみじみしじみ at 2007年12月02日 01:51
はらほろさん、しみじみしじみさん、コメントありがとうございます。

やっぱり10-15cmはありましたよね。図鑑なので、一般的なサイズを記しただけなんですね。遊佐の池では「ドブガイA型=ヌマガイ」も確認しています。
Posted by さくら at 2007年12月02日 07:33
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。