2013年11月04日

飛島の海

珪化木が多く打ち上がり、タコも多い遠浅の岩床が広がる田の下海岸(たのしりかいがん)。
中村地区の古老が思い出したように語るには、此所は中村地区の田んぼの跡地で、
ゆえに田んぼの下の海岸という意味で、田の下(たのしり)という地名なのだそうです。
袖の浜の海岸は法木地区の田んぼが在ったそうです。
昔も今も、要事がない限りは地区外を出歩くことはないので詳しく覚えてないそうですが
「勝浦地区には『鈴木の田(鈴木さん宅の田んぼ)』が在ったはず。」と言ってました。


田の下地区は中村地区の住人の田んぼで、
下記画像左側=南側端が太田六ろえもんの田の下。
下記画像左側=北側端が屋号ひこざえもん=通称ふくぜんの田の下。
私に説明してくれている間に思い出すらしく、
「太田六ろえもんは太田家の分家だから、本家から分家するときに譲り受けたのだろう」とのこと。
六ろえもんとふくぜんの間に、2ツ3ツ屋号を話してくれましたが、私が聞き取れず記憶できませんでした。
田の下海岸に降りる道の所が六ろえもん。
現在通行不可能になっている道の左側=北側がふくぜんだそうで、
現在通行不可能になっている道の脇に在るコンクリートブロックの建物がスズメ番小屋。
稲を喰い荒らしに来るスズメを追い払う番をするための小屋だったそうです。
「今は、いつ誰が置いたか知らないけど仏像が置かれて奉られていて、いい迷惑だ。」とのこと。

勝浦地区で出逢った中村地区の50歳代の方いわく
「スズメ番小屋?! ああ、今はあそこさ仏像がある。行ってみろ、ジュース(お供え品)が飲めるぞ。
 あの仏像は大したもんだ。どんなに荒れても流れていかないもの。」と肯定的。
「勝浦地区に田んぼ?。そんなものは無いぞ。」と、話しすら知らないようでした。
ちなみにこの方も珪化木を知らないのでした。
日々の生活が忙しく、用も無く島を歩かない限りは、珪化木など気づきませんよね。
「木の化石?。そんなのあるのか。
 デカいのか?。小さいなら持て帰れば良い。お土産で持て行げ持て行げ。」とのこと。

田んぼまでは艪を漕いで舟で作業しに来ていたそうです。停泊できる場所は決まっていて
酒田市がNPOとボランティアでゴミ処理を行った時も漁船を乗り付け、ゴミを運びだしたそうです。
珪化木も舟に乗せて集落まで持ち帰ったのでしょうね。


袖の浜へ下りる遊歩道から眺める四爪島方向の景色はいつみても綺麗ですよ。
袖の浜へ下りる遊歩道から直ぐの場所にある渚の鐘から眺める荒崎と御積島。
袖の浜へ下りる遊歩道は急なので上りはきつい。
賽の河原から勝浦方面に歩く岩場の風景。長崎と呼ばれている所でしょうか。
岩と岩の間から鳥海山が望めるスポットもありましたよ。


中村地区の古老いわく「潮が引くとカジカ島まで渡れるんだけどなあ。」
その言葉とおり渡れた時のオバフトコロの浜。冬になると潮が引くようになるそうです。
賽の河原の沖に消波ブロック帯があり、そこから眺めたロウソク岩と磯。


実は40年ほど前に町内の子供会の旅行かなにかで母親と1度だけ飛島に渡ったことがあります。
子供でしたから何所に泊り何所の岩床帯を観たのか定かではありませんが、
真っすぐ急な坂で、段々畑?の脇をず〜っと上り、
目的もなく歩くわけはないので荒崎を目指したのかもしれませんが、草原の向こうに海が見えました。
私の記憶の中の飛島は、木が無い畑と草原の想い出があるのですが、
実際の飛島は大きな木々がうっそうと生い茂る暗い森を抜けて、海へ出るのでした。

黒松や杉が生えており、植林したのかと前出の古老に訊ねると、そうではないとのこと。
昔は全部が畑だったけど荒れてしまい、勝手に生えたのだ。
昔は薪で火を焚いていたいたから、松葉拾いの場所も家家で決まっていて
『誰それがウチの松葉を持っていった』とケンカになることもあり
木々の下は綺麗で草など生えていなかった。その時はキノコも良く生えた。
赤松の下ではマツタケも採れる場所もあったらしいが、教えないので伝わっていない。
今は下草が生い茂っているから、もう生えてないだろう。とのこと。
今は『森』という印象でしたが、昔は『林』程度だったようです。
木々の数より畑の数が少ないのが気になったのですが、耕作地が荒れたのですね。

50-60歳の島民の方に「昔は松茸も生えたんでしょ?」と訊ねたら
「松茸?。ああ、バカタケの。白マツタケで本物でね(本物ではない)。松山町さも生えている奴だ。」
と行ってました。一説では松林に生えるシメジの一種をさしているらしいです。

飛島には梨と栗とクルミ、タラとアケビ、ヤマイモ、柿がありました。
梨は野生?で島民に『山梨』と呼ばれており小さい実で、プリムみたいな味でした。
クルミは普通、栗は山栗なので小さかったです。
タラは西側の沢沿いにたくさん生えていましたが、
強風にさらされるからでしょうか、太い木は見かけませんでした。
アケビはたくさん生えているとそうですが、時期が遅く実はありませんでした。
「島に子供が居た時期は、みんなで採って食べていたんだ」と懐かしそうに話してくれました。
ヤマイモもあるようですが、掘り出してないのでどういう状態か不明です。
庄内浜の防風林内にも生えてますが、凸凹して砂を咬んでいて、食さないですよね。

柿はたくさん実ってました。
耕作者が歳を取ってしまい、剪定しないから伸びてしまい、採れないからカラスの餌になっているとか。
一応持ち主が居るけど採らないから、採る時に一声掛ければ採って良いんだ。そうです。
古い在来種があるか訊ねてみましたが、平種柿ばかりで、伝九郎や木ざわしは無いそうです。
(散策中、畑の奥に2本ほど木ざわしっぽいのが在ったように見えましたが、確認してません。)
飛島の柿をごちそうになりましたが、甘味が濃くてとても美味しくて驚きました。
柿をごちそうになりながら、ふと気になりました。
『こうして柿を採っているのだから、干し柿も作っているのだろうか?』
『温かい飛島で、干し柿は作れるのだろうか?』と。
そこで「干し柿は作ったりする?」と訊ねたら
「かっ(なんという愚問)、作てっぜ。(去年作ったのが)冷凍庫さいっぺある。」
と、わざわざ出してくれました。

これが大粒で真っ白!
食べてビックリ、異常な甘さ!!
まるでスニッカーズを喰っているかのような甘さで、1口毎にお茶を手放せません。
柿と干し柿は大好物で、各地の銘品も食べたことがありますが、こんなに甘味が強いのは初めてです。
普通に食べても濃厚な甘さなのですから、干し柿にすればこう成っても納得ですが
この甘さは飛島という気候ゆえではないのかと感じました。
柿は濃厚な甘さですし、干し柿は萎まず大きなままで真っ白で尋常じゃない甘さ。
飛島の柿はブランド出荷すれば名産になると感じました。


地形変化と珪化木のジオパークと飛島の柿。アジを餌にしたアオリイカのウキ釣りとタコ捕り。
これらを新しい飛島の名産として皆さんにお薦めして、飛島ネタを終わりたいと思います。face02 icon23  


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2013年11月03日

飛島 珪化木.2

田の下地区などで見られる細い棒状の珪化木。


浅い岩床帯のスリットの中には、岩盤から剥がれ落ちたばかりの珪化木がありました。face05


備長炭のような珪化木もありましたよ♪



ビーチコーミングでは軽石を遂に発見。
ヤシの実とガラス玉は意外とありましたが、軽石はこれ1個♪


毎度産地不明なのが残念ですが、嬉しい出逢いです。  

タグ :化石珪化木

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2013年11月02日

飛島 珪化木.1

今回は荒崎の南側でも岩盤に埋まった珪化木を発見、撮影してきました。↓


荒崎の北側の付け根で見つけた珪化木。↓


荒崎の南側の海岸には大きな珪化木が多く、手土産にするには荒崎の北側=田の下地区辺りが最適です。


前回紹介した田の下海岸へ降りて直ぐの場所にある珪化木。↓


田の下(スズメ番小屋の田の下)で見つけた珪化木。浜からもっとも高い場所にありました。


その他にもたくさん有りましたよ。


飛島には勝浦地区、中村地区、法木地区の3ツの集落が在り、
古老いわく、自分の地区外へ出掛けることはほとんど無いそうです。
それどころか島の西側へ行くこともまず無く、珪化木の存在も知らないのが普通のようです。
それなのに東側の旅館の玄関には大きな珪化木が積まれて居るので、その点を尋ねてみると
「木の化石?!。おう!、あれは医者と駐在(警察官)だ。」
「昔、診療所に居た医者と島の駐在員が西側から集めて持って来てたんだ。
 集めて置いていくから、それをもらって置いているだけだ。」とのこと。
西側へ行ったこともない人が多い島民が、珪化木を知らない事にも納得でした。

賽の河原の石は絶対に持ち出してはいけないのですが、他は問題無いそうです。
賽の河原の石の海岸で大きなタコを発見したのですが、捕らずに見逃したら旅館の人から
「もったいない。島の人にも良い漁場の一つになっているのに、遠慮しないで捕れば良かったんだ。」
と一笑されました。“呪い”とか面白がって語り気にするのは、島の圏外者ばかりのようです。

飛島の観光パンフレットに珪化木は載っていませんが、立派な見どころの一つです。
島の南側(勝浦側)から歩いて行くと磯が岩になり石になり、
ゴロタから砂利浜、砂浜に変化する様子や地質の変化が楽しめますよ!
観光パンフレットには飛島ジオパークとして紹介してほしいくらいです。face03  


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2013年11月01日

飛島 カナヘビ

飛島のカナヘビをラッキーにも2匹撮ることができました。



飛島にトカゲが生息しているかは不明。

飛島にはシマヘビが生息しているそうで、たまに見かけるそうです。
「マムシも生息している。俺は見た。」という人も居るのですが、実際は・・・。
「俺は一度も見た事ないし、生息しているとは思えない。
 でも、飛島小学校に昔採捕されたホルマリン漬けがあるし、
 此所は島なので、流木などに乗って漂着することはあるだろう。」と古老の話しでした。

ネズミは大きいのと小さいのが生息しているそうで、大きい方のネズミの新しい死体は見ました。

「飛島のダムに鯉は居るか?」と古老に尋ねたら「鯉!? そんな話しは聞いたことがない」と即答。
「草魚は居るんでしょ?」と尋ねたら「おう! 草魚は居る。」そうです。
「カエルは居る?」と尋ねたら「居る」と答えてくれましたが、
小さいのが居るとのことでアマガエルのようです。ガマガエルは居ないみたいです。  


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2013年10月22日

庄内の甘柿

知人が甘柿を持って来てくれました。
樹齢65年の古木で、これで最大サイズとのこと。皮ごとポリポリ食べられるそうです。
庄内に甘柿があるとは知らなかったのでネット検索すると、下記サイトを発見。
[PDF] 山形県庄内地方におけるカキの在来品種の分布と利用に関する調査
http://www2.lib.yamagata-u.ac.jp/kiyou/kiyoua/kiyoua-14-2/image/kiyoua-14-2-021to028.pdf

サイトをみてみると余目に豆柿という呼称があったので、それかなと思ったのですが、
「あれ懐かしいごど。木さわしだの。」と母親が一目見て同定しました。face08
「近所に伝九郎柿というのもあり、それはお湯に浸けると渋が抜けて甘くなるんだ。」
と話してくれて、小さい時には私も食べたことがあるようです。知りませんでした。face01

  

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2013年10月06日

飛島 イャッホー♪

ほんま食堂のラーメンはシンプルゆえにトビウオのダシが効いているスープと焼豚が美味しかったです。
飛島の男爵芋『ごどいも』は素直に美味しかったです。
山には梨と栗とクルミがあり、梨はビリヤードの球ほどの大きさで、パサついたスモモのような味でした。



勝浦地区から八幡浜まで海岸沿いに歩きましたが、海岸の地質変化が豊かで、飽きません。
田尻の浜へ降りると、目の前の波打ち際の岩盤に珪化木が埋まっていて
田尻から青石周辺に珪化木が打ち上がっていました。


私が物心着いた時からウチに有る鳥海軽石と、直感的に同じだと感じた飛島の軽石(荒崎北部)。
庄内地方で見て来た鳥海軽石とウチの軽石は何か違う気がしていましたが、
荒崎北部でコレを見つけた瞬間に、同じだ!と感じました。ウチのは飛島の軽石だったのかもしれません。



飛島の西側は遠浅ですがタコがたくさん居て、簡単に手掴みできました。
田尻から八幡浜までが良かったです(今が時期だそうです)。
勝浦地区から荒崎までは海水温が高過ぎて「ぬる!」かったので、潮通しが良く心地良い水温の場所に居ました。

アワビやサザエは見つけられませんでしたが、小さいウニ1個とアサリを1個見つけました。
小さいアワビと二枚貝(アサリ?)の貝殻は多く見かけましたが、サザエの貝殻は1個だけでした。
エビとカニ、ヤドカリ、小さい巻貝はたくさん居ました。
エギングは、豆アジと小アジで溢れている港内が間違いないです。

オオカマキリとコカマキリ、セミとトンボが居ました。アマガエルも鳴いていました。
今年の飛島は雨が多かったのか知りませんが、
西側には沢と呼べないような沢筋が何箇所もあり、
湿地で葦が生えグチョっとぬがる箇所もあり、意外でした。
カナヘビが多かったのは意外。浜は石でゴロゴロしており、
直ぐに石の下へ逃げ込まれて掴まえることが出来ませんでした。
私は視認できなかったけど、ヘビが2匹(品種不明)。

能登の「スーパーどんたく」の黄色い買い物カゴも漂着してました。
以前、十里塚の浜で石川県の道路標識を見つけたことがあり、海流で繋がっているかのようです。
漁具に関する漂着ゴミは韓国が多いようです。



  


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2013年06月28日

ミチノクヒメユリ 開花.3

ユリの花の寿命も短いものですね。
2013年06月25日『ミチノクヒメユリ 開花.2』で紹介したように
開花にばらつきがあるとはいうものの、見頃を迎えたら既に散る花もあり、
パッと咲いてパッと散るのが日本の花なんですね。

  


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2013年03月25日

陸生ヨコエビ

陸生ヨコエビ=オカトビムシを捕まえました。face02
ぴょんぴょん跳ねるので撮影が出来ず、
面倒なので藁ごとバケツに入れてみると、居ました居ました♪


珍しい生き物ではありません。留意していると良く見かけられるのですが、小さく機敏なので、撮影は面倒です。(^^;


  


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