2007年11月23日

カラスガイ

淡水に棲む二枚貝を、庄内地方では一般に『タンケ』と呼んでいます。温海町では、似てるけど違う言い方をしてましたが、忘れてしまいました。若い人『タンケ』と訊ねても『???』の場合が多いですが、年輩の方にはカラスガイ、ドブガイというより、「あぁ、タンケの。」とピン!とくるようです(各地方の呼び方教えてください(^^) )。

内陸地方では『カラスガイ』と呼んでいるようですが、実際に生息しているのはドブガイです。本当のカラスガイは、1960年代に月光川河口(下流)で採取され県立博物館に保管されたのが最後?で、山形県内では生息が危ぶまれている種類です。遊佐町にもサンプル(標本)があるみたいです。

カラスガイとドブガイとの見分け方は、中を開けて見比べると一目瞭然だそうです。

カラスガイ

カラスガイ


二枚貝は個体差が激しいので外見で判別するのは難しいそうですが、他県産のカラスガイのサンプルで見てみると、膨らみ方が違うように感じました。

フラッシュの光が当たって白く反射している位置からも、差異かもしれませんが、盛り上がりの違いが伝わるかと思います。カラスガイは、殻頂から後縁へ丘のようになだらかな形状ですが、ドブガイは、スキージャンプ場のスロープのように最後は薄くなっていると感じました。

カラスガイ


カラスガイ
形  態:殻長は最大で24cmに達する。
分  布:日本(北海道,本州)。本州山間部の個体群は移植されたものである。
生息環境:平野部の湖沼や大河川の下流部に分布している。琵琶湖では水深2〜8mの砂泥〜軟泥底に多く生息している。
繁殖期 :晩秋〜初春
宿  主:ヨシノボリ
環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)
山形県レッドデーターブック:絶滅危惧ⅠA類(CR)
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kondo/unio/karasu.html



現在庄内地方では、イシガイ・ヨコハマシジラガイ・マツカサガイ・タガイ(B型)・ヌマガイ(A型)・マルドブガイの6種を確認しており、他にカラスガイ・フネドブガイなどが生息している可能性があります。

二枚貝は、個々形状の差異が激しいので、見た目で判断するのが難しく、専門家になればなるほど確固たる証明が出来ない限りハッキリと断定した言い方をしません。でも私は素人ですし、少しでも貝に興味を持ってもらえたら嬉しいので、自分なりに解釈して語ってみたいと考えています。誤りがあれば、遠慮なく指摘してください。

二枚貝のお薦め図鑑はコレ!!
日本産イシガイ類図鑑 近藤高貴 (大阪教育大学)
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kondo/unio/unio.html
素心庵 淡水二枚貝研究会
http://members.jcom.home.ne.jp/3110447901/shell/kai.html
釣魚不全 タナゴ釣りで見つけた貝類
http://www.geocities.jp/zzss8888/tanago/shellfishes/tanago-shellfishes.htm


山形県レッドデーターに関する資料
山形県庁HP-組織別一覧-文化環境部-環境科学研究センター-環境情報の提供 -レッドデータブックやまがた

EX:絶滅
EW:野生絶滅
CR:絶滅危惧ⅠA類
EN:絶滅危惧ⅠB類
VU:絶滅危惧Ⅱ類
NT:準絶滅危惧
DD:情報不足
LP:絶滅の恐れのある地域個体群
要注目種

マルドブガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24559.html
ドブガイA型=ヌマガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24481.html
ドブガイB型=タガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24373.html
ドブシジミ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24085.html
イシガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23929.html
ヨコハマシジラガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23872.html
マツカサガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23769.html
カラスガイ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e23728.html
タニシ(マルタニシ、オオタニシ、ヒメタニシ)
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e24181.html


タグ :

同じカテゴリー(その他07)の記事画像
冬の読み物.1
コクチバス.2
コクチバス
鶴岡公園の貝
大山の下池水路
十の沢池の用水路
同じカテゴリー(その他07)の記事
 冬の読み物.1 (2007-12-14 07:08)
 コクチバス.2 (2007-12-13 07:31)
 コクチバス (2007-12-12 03:29)
 鶴岡公園の貝 (2007-12-10 07:29)
 大山の下池水路 (2007-12-09 21:59)
 十の沢池の用水路 (2007-12-08 21:19)

Posted by さくら at 17:49│Comments(10)その他07
この記事へのコメント
ご苦労さまです
カラスガイが居なくなったら、タナゴもいなくなっちゃう(T_T)
銭タナゴ好きだったのに。。。
Posted by 藤丸 at 2007年11月23日 19:45
いや、知りませんでした。
恐れ入りました。
Posted by わっしー at 2007年11月23日 21:27
わ~・・
しらなかった・・・
全部、カラスガイだと思ってました・・。
Posted by cherry tosi at 2007年11月23日 21:54
[さくら]さん、こんばんは。
ウチは「タンケ」でした。
Posted by bin at 2007年11月23日 22:58
みなさんコメントありがとうございます。

藤丸さん、
内陸にもドブガイが多く残っています。残ってはいますが、残念ながらタナゴは・・・。内陸地方の‘恐ろしく単純な生態系’に関しては、ブラックバスの移植放流の影響としか思えません。たまにしか内陸に行かないのに、バス釣り愛好者との遭遇率が非常に高く、彼らの貪欲な行動力には驚かされます。

わっしーさん、
貝なんて、地味ですからね。(^^;

cherry tosiさん、
内陸は広いので、他に呼び方があるかもしれません。また、20cm級もあるはずなんですけど、知りませんか?

binさん、
温海の方でも『タ○○』と三文字で言われたんですよね・・・。
Posted by さくら at 2007年11月24日 07:57
県博にある1960年に月光川河口浚渫工事中に採取されたカラスガイは30cmもありました。県民からの『カラスガイ』への問い合わせが多いので、いつでも見せられるよう、準備してあるそうです。興味ある人は霞城公園内にある県立博物館へどうぞ。
Posted by さくら at 2007年12月01日 20:37
はじめまして、
琵琶湖のドブガイの撮影者です、写真を使っていただき光栄です、ありがとうございます。

当該の殻を拾った場所は琵琶湖西北部の砂浜です。琵琶湖というひとつの水溜りでも数十km離れた地点にゆくと個体群として殻の形状がやや違うような気がします。

ちなみに、私の地方(滋賀県西部)では「だぶ」「だぶがい」などとも呼びます。
Posted by ビワコチビタナゴ at 2008年03月12日 14:12
ビワコチビタナゴさま、
貴重な画像を勝手に使用して申し訳ありません。当方、専門の研究者でないこともあり、Blog掲載を考えた撮影をしてこなかったこともあり、趣旨にマッチする、判りやすい(伝えやすい)画像をネット検索で求めてしまいました。悪しからずお許し下さい。
Posted by さくらさくら at 2008年03月12日 18:14
さくらさん、
その節はメールを頂戴しまして有難うございました。下手な写真でも使っていただけるのはホントに光栄です。また、よろしくお願いします。
今ごろになってのコメントお許し下さい。記事がたくさんあるので一度で拝見できません、また今度おじゃましに参ります。
Posted by ビワコチビタナゴ at 2008年03月12日 23:32
ビワコチビタナゴさん、
ありがとうございます。こちらこそ宜しくです。(^^)
Posted by さくらさくら at 2008年03月13日 20:27
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。