2007年07月31日

田麦荘の怪獣

朝日村田麦俣地区の国道112号線沿いの民宿『田麦荘』に怪しい獣の像がある。実はこれ、トナカイだそうです。


或る日、某所で『東北のスイス村 しなくら荘』と書かれたウグイス色のマッチを見つけました。唱い文句の意味を朝日村の人に訊ねると・・・。

湯殿山スキー場は、国道112号線開通に伴い地域活性を願った田麦俣地区の地主さんたちが、手造りで開業したのが始まりですが、国道112号の工事が遅れたことで道路が確保できなくなり、交通手段が無いのですから客も来ず資金難に陥り、農協が運営を引き継ぐことになりました。

その際、夏場の集客対策として、当時はサンタクロースが流行っていたこともあり、湯殿山スキー場でトナカイ牧場を遣ろうとしたんだそうです。その時のキャッチコピーが『東北のスイス村』で、シンボルとして実物大のトナカイの像が造られ、しなくら荘前に置かれたそうです。スイスにトナカイはいませんが、涼しい夏の高原のイメージがスイスで、厳しい寒さの中で飼育できる生き物としてトナカイが候補に挙がったんでしょうね。

しかし、結局はトナカイを購入することもなく計画は中止。行き場を失ったトナカイの像を、田麦荘さんに引き取ってもらったんだそうです。

でも、田麦荘さんでは「あれは鹿だ。日本鹿だがの牧場を造るとかで、最大サイズで実物大の像を造ったんだけど、計画が中止になったんで、ウチさ置いだな。」ということでした。「あれは今まで何回も修繕してきたんだけど、あど駄目がもの。」とも言ってました。

そういえば以前は茶色に塗られていた気もしますが、造られてン十年が経ち、角は折れ鉄筋が覗き、寿命でしょうか。無くなるのは残念です。なんとか残してほしいものです。

だって、なんだか良く判らない怪しいモノって、おもしろいじゃないですか。(笑)  


Posted by さくら at 08:25Comments(3)その他07