2007年07月06日

新井田川の外来魚

カブトエビ調査で田んぼに触れたことで新井田川を思い出し、2年ぶりに或る場所へ行ってみた。今回もブルーギルとブラックバス(稚魚)、ギギを採捕した。行けば毎回採れるということは、定着してしまったことを意味する。残念なことだ。

ブルーギルは内陸地方のブラックバス釣り愛好者により山形県に持ち込まれ、内陸から最上川を流されて、さみだれ大堰から灌漑用水路を通って庄内地方に広まった。庄内の主な生息地は平田町飛鳥沼(あすかぬま)と酒田市新井田川。特定外来生物被害防止法により生きたままの移動・飼育は禁止されているので、撮影後にブラックバスとともに処分した。


採捕途中に自転車に乗った爺さんが「鯉採りだが?」と話し掛けてきた。関集落で、ミミズを餌に釣りを楽しんでいるという。爺さんはブルーギルとブラックバス(稚魚)を初めて見たと言っていた。ブルーギルは魚の卵が好物で、ブラックバスは小魚を食べるのだから、「此処数年でホントに釣れなくなった(魚が少なくなった)」と言う爺さんの言葉には、重みがある。


でも、それとは別に地元の人に注意してほしいのはギギである。ギギは国産種だが、琵琶湖産など稚鮎に混じって山形県に入ってきた国産移入種で、最上川に生息しており、最大30cmを越えるサイズにまで育つ。背ビレに毒があるので、素手で触らない方が無難だ。


爺さんはギギも初めて見たと言う。小学生の孫もいるということなので、ナマズやドジョウと間違えて触わらぬように、ギギは爺さんにプレゼントした。県別に天然記念物と絶滅危惧種の指定があるなら、山形県版特定外来生物被害防止法も制定してほしいものだ。

浅くみえるが、水深は1m以上ある。


ギギは、山形県レッドデーターブックでは、絶滅危惧種ギバチと勘違いされている地域がある。ギバチ生息地とされる現地の教育委員会を訊ねたら「ギバチはいませんよ。いるのはギギです」と言われた。選定委員会が自ら現地で採捕・確認もせず、文献と聞き取り調査だけで山形県レッドデーターブックを作成してしまった結果である。

そもそも無斑点岩魚を絶滅危惧種に指定し、山形県レッドデーターブックに掲載しているレベルなのだから、なんとも情けない話しだ。無斑点岩魚は、山の白猿と同じようなレベルの話しで、種ではないのだから。  


Posted by さくら at 07:06Comments(4)その他07