2012年06月21日

赤川水系再生への働き

Blog 無題・休題−ハバネロ風味− のcakeさんより昨日の記事のコメント欄へ
『酒田河川国道事務所で、赤川の整備計画について、住民からの意見を求めているそうですよ。』
と書き込みをいただきました。
多くの人に関心を持ってもらうことは歓迎すべきことなので、是非意見を寄せてあげてください。

赤川水系河川整備計画
http://www.thr.mlit.go.jp/sakata/office/works/river/aka-seibi-top.html
赤川水系河川整備計画(素案)への意見募集
http://www.thr.mlit.go.jp/sakata/office/works/river/aka-seibi-iken.html


コメント欄へ返信すると長文になるので、Blogネタにしてみました。
本来、このような募集などは不要です。公共事業は常に事業案も計画も公開して意見も受け付けており、改まって意見募集する必要はないのです。

街を創るとき、上水道や下水道準備、道路拡張、バイパス道の建設予定など、予算の確保がありますから、何年後にどうするか事前に計画しますよね。それと同じで河川国道事務所へ問い合わせれば教えてくれますし、問えば何でも回答してくれ要望も常時受け付けてくれます(ただし記録されるかは別問題)。

自然に興味がある人、とくに釣り人からは「いつの間にか勝手に工事された。」「自然破壊だ。」というセリフをよく聞くのですが、釣り人は自分が釣りたい魚と自分のフィールド以外には無関心ですし、自分の釣りする期間以外はフィールドに現れません。エコでも自然保護でも、自分がやれることをやるのが前提ですけど、上記のように公共事業に関する計画は、問えば常時事前に知ることができるのですから、無関心も甚だしいと言えるでしょう。

行政は飽くまで『問われたら答えます』『聞かれた話しますよ』というスタンスなので、釣具屋や赤川漁協で愚痴りあって待っていても、情報は得られません。インターネット上に情報が流れたら、既に計画内容は決定しており、手遅れと思って良いでしょう。今回意見を発しても取り扱ってもらえる可能性は低く、正直どうでも良いです。私としては、自生地復活を目指して桜草を植えた赤川河川敷に、駐車スペースや階段が設置されたら良いでしょうね、と思う程度です。



赤川自然再生事業
http://www.thr.mlit.go.jp/sakata/office/works/river/aka-shizen-f.html
国土交通省 魚がのぼりやすい川づくりの手引き
http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/kankyou/sakana_tebiki/index.html

赤川では、国土交通省が行う自然再生事業の対象河川として全国4箇所の1つに選ばれ、赤川自然再生事業が行われています。5年計画が更に5年延長されましたが、赤川漁協は事業内容を理解できないばかりか抵抗し無関心無関与無知ぶりを露呈しました(附随した釣り人(とくにサクラマス釣り愛好者)も何と愚かしいことか)。そんな中、孤軍奮闘しているのが、赤川でサクラマスの巻き網漁を行ってきた鶴岡夢童の会を主宰する岡部夏雄さん。馬渡床止工の設計を根本から変えさせ、上流の中州を守ったのは岡部夏雄さんと加茂水族館の村上館長。魚類に与える影響と改善策、湧き水と湧水の調査記録とサンプルを示した岡部さんと熱意で激昂してまで断固反対を貫いた村上館長。これらのような資料も熱意も無い赤川漁協は「すばらしいですね」と言うだけで反対すらしなかった。

この人に聞く:「鶴岡淡水魚 夢童の会」代表・岡部夏雄さん /山形
毎日新聞 2012年05月06日 地方版
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20120506ddlk06040023000c3.html
サクラマス:一生を紹介 写真など100点以上展示−−15日まで酒田で /山形
毎日新聞 2012年04月11日 地方版
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20120411ddlk06040016000c.html

本来なら川の守り人として『赤川のことなら赤川漁協に聞け! 』と言われるべきなのに、マスコミにすら相手にされない赤川漁協は、赤川漁協はHPに掲載しながら削除しましたが、身内の漁法を否定し非難することで無知な釣り人に「我々も頑張っているんですよ〜」とアピールしているに過ぎず、アフォな釣り人はそれを鵜呑みにする。内部の見苦しい姿勢をネットで公開して何の得があるというのでしょう。網を使えば魚を一網打尽に出来ると信じている大人もおり、愚かしい限りで情けなくなります。

スキューバダイビングで巻き網漁を行えると、本気で信じているのですから、無知ぶりには呆れてしまいます。川でスキューバダイビングを楽しむ人がいないのは、海と比べて透明度が悪いという他に、流れがありとても危険だからです。それなのに巻き網漁を行うなんて、正気の沙汰ではありません。スキューバダイビングをされる方なら激しく同意されることでしょう。

サクラマスは大型の魚で、春に産卵のため川へ遡上し、夏を淵で過ごし、秋に渓流まで上り産卵します。赤川の淵は深く、湧き水や伏流水が豊富なので水温が冷たく、夏を越し易い環境にあるようです。また、湧き水や伏流水地に雨で増水して濁っている時に岡部さんが潜って観てみたところ、そこは澄んでおり、魚が多く避難していたそうです。サクラマスの稚魚は酸素を吸収する能力が低いので、酸素含有量が多い渓流でしか孵化できないそうです。鮭の稚魚は酸素を吸収する能力が高いので、本流や牛渡川のような湧水河川のでも孵化できる。
(庄内の独立小河川でサクラマスが遡上しない川は、月光川だけです。以前は遡上していましたが、今は遡上していません。夏を過ごせる深くて涼しい淵が存在しなくなったからでしょう。「月光川は水が綺麗だ」とばかり言っていないで、魚の生息環境にも注目してほしいものです。)

これからサクラマスの資源を守って行くには、上りやすい魚道を作り、渓流の堰堤を遡上できるよう改善して、産卵できる流程を伸ばしてをいくしかありません。そんな風に赤川を良くするには、国や県が積極的に働きかけてくれているのに計画を理解できず、足並みを揃えられない赤川漁協を変えるか廃止してしまうことは有効策の一つと言えるでしょう。赤川に味方せず、釣り人を扇動し釣り人の立場でしか赤川と魚を視ることができないのですから。

赤川水系再生への働き


河川造りでネックなのは、堰堤や床止め工が、「土手に対して直角にしか造れない。」と言われることです。
下記画像は旧朝日村東岩本地区ですが、画像の場所では流芯は左岸です。
この橋の上流では、右岸に流芯があり、深い淵があります。
川の流れが右岸から左岸へ移行しているのですから、
床止め工は流れに対して直角か、流芯部が低くなる床止め工は造れないものなのでしょうか。
川は蛇行して流れているのですから、流れも蛇行させるべきで、
直線に流しては淵や瀬は形成されないと思うのですが・・・。

赤川水系再生への働き

赤川に設置される魚道は、なぜか古い設計が多く、魚が上り易いのか大いに疑問です。
既に出来上がっている堰堤や床止め工に新たに魚道を設置するには
凸に突き出たタイプの古い設計の魚道は設置は容易でも、
魚には凸に突き出た魚道を見つけるのは困難なので、スムーズに遡上できません。
凹ませたセットバック式=引き込み式の魚道が魚を誘導しやすく、スムーズに魚が上ると思えます。
全国各地に凹ませた魚道があるのですから、赤川でも取り入れてほしいものです。
黒川床止め工の魚道は、最後の曲げた箇所に、国交相の妥協を垣間みる思いです。(^^;

赤川水系再生への働き

赤川水系再生への働き

国土交通省 魚がのぼりやすい川づくりの手引きに登場する魚道イラストが
凹ませたセットバック式=引き込み式なのは、紙面上による構図の関係???。

赤川水系再生への働き



閑話
内水面の魚族保護で、今一番の問題は土地改良区、美土里ネットです。
建物や道路に耐用年数が設定してあるように、土地改良区、美土里ネットが管理している灌漑用水路にも耐用年数が設定されており、50年?だそうです。桜草の自生地が基盤整備で消滅したのが昭和40年代初頭。それから間もなく50年が経ち、あちこちで灌漑用水路の作り替えが行われていく予定です。

素堀の水路がコンクリート化されていった昭和40年代は、魚は工事区外の素堀の区間へ逃げられましたが、コンクリート化された現代の水路では逃げ場はありません。貴重な魚は、魚が貴重なのではなく、魚の生息地が貴重なわけで、お魚SOS救出作戦など詭弁であり偽善、本末転倒。それで近年、地元小学生を使ったお魚SOS救出作戦が各地で多く開催され、好意的にマスコミに取り上げられていますが、真実が報道されていません。

コンクリートを剥がし新しく造るのですから、土手のノリ面も掘り返されます。ホタルは土の中でサナギになり羽化しますから、ホタルにも影響するでしょう。

ここの一番の問題は、農地は公地でも自然環境でもないということ。灌漑用水路は上下水道と同じで効率が全てであり、生態系に配慮する義理はないのです。農地なので、自然環境への配慮で意見を述べる機会も窓口も無く、予算も限られているので自然環境に考慮した水路造りは望み薄で、誰にも止められないのです。今までも灌漑用水路や用水池で魚や水辺の生き物が棲んできたので、これからも生き延びてほしいと願うばかりです。


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