2012年02月27日

故斎藤教頭先生の苗

40年程前に私へ桜草をくださった故斎藤教頭先生は、
何所からか判らないけど最初に庄内白を入手。
しばらくして鶴岡市の女教師から
「桜草に白があるんですか。私は赤を持ってますから、交換してください。」
という話しにあり、庄内赤を入手。
それから桜草に興味を持ち始め
奈良県天理市のサカタのタネ社から毎年通販で園芸品種を収集し始めた。
当時は品種を選べず、お店が準備した10品種1組で販売されており、
冬になると毎年新しいカタログが送られてきて、その都度桜草を購入。
届いた中に持ってない品種があると大歓びしながら、何年もかけて最後には117品種を収集。
それらは鉢に番号札をさして栽培。ノートに番号札と品種名を記して管理していた。
と奥さんが話してくれました。

故斎藤教頭先生は8年前に亡くなりましたが、
死期を悟った故斎藤教頭先生は、桜草を玄関脇に全部破棄してしまいます。

その数年後に私が先生宅を訪問した時、既に桜草は消滅寸前でしたが
2年掛かって全ての桜草を譲ってもらい、持ち帰りました。
その苗たちは、ようやく去年から開花し始め、今年は全部の芽が開花することでしょう。
しかし、開花しても品種の同定は不可能に近く、
去年開花したのは処分しましたし、今年開花しても破棄するしかありません。
番号札と品種名を記したノートがあれば、同定は可能になるでしょうけどノートは見つからず。
奥さんは「見つけたら連絡してあげるわ。」と言ってくださっていたのですが
一昨年の大晦日に太ももを骨折して、しゃがむことができなくなり
昨年3月に「もう探せないの。」と言われてしまいました。

『伝承者が居ないと、桜草はこうして滅びていくのか。』と諦めるしかありませんでした。




ところが、故斎藤教頭先生は生前に、
愛知県尾張旭市の義理の妹さん宅へ桜草の余剰苗を譲渡していたのです。

一昨年の大晦日に太ももを骨折した奥さんは、年明けに日本海病院で手術を行い
リハビリは、息子さんが居る温かい名古屋で行うことにしました。
歩けるようになってから尾張旭市の義理の妹さん宅へ行くと「桜草がいっぱい咲いていた。」そうです。
3月中旬に酒田へ戻り独り暮らしを再開しますが、雪囲いの取り外しや庭仕事は私が手伝いました。
その時期に尾張旭市の義理の妹さんが心配して電話を掛けてきてくれ
「力仕事は桜草を育てている人が手伝ってくれている。」と私のことを話したらしいのです。
すると尾張旭市の義理の妹さんが
「そんなに桜草が好きなら、来年の2月、植え替えした時に送ってあげましょうか。」
と言ってくれたんだそうです。

これは願ってもないこと!

そして約束の2月となり、その苗が先日届きました。しかも50品種も!!
開封すると少し色褪せたノートが同封されており、
故斎藤教頭先生が送ったであろう117品種銘が書かれた品種表です!!!!


118品種ですが、93番と110番は同じ大明錦なので、117品種。
43番月山と67番鳥海は、同じ庄内(赤)と思われますから、115品種。
羽黒町の農家の方が桜草(赤)を『月山』として販売していましたが、昔からの呼称だったのかしら。
67番鳥海は、『月山』が先に存在したので、遊佐町産をさしていると思われます。

閑話休題
箱を開けてビックリ!
水苔でビッシリ覆われているじゃありませんか。

慎重に水苔を取り除き、苗を取り出します。
名札に苗が4芽輪ゴムで縛られています。
この梱包方法は、仙台さくらそう会の浦澤さんから『昔の輸送方法だと』聞いたことがあります。
「義兄さんから送られて来たときと同じ方法で送るから大丈夫。」とも言われてましたし
未だにこの方法で送って来たということは、他の方と取引されたことがないのだと推察され
この50品種は故斎藤教頭先生が送った苗だけなんだと感じました。face05



取り出した苗はみな芽が大きく根が長い立派な根茎ばかりです。
しかも品種表通りに1番から50番までの50品種。これって、どういうこと!? face08

こんな立派な余剰苗を送れるということは、プランター栽培?
品種表通りに1番から50番までの50品種を送ってくれたということは
51番から118番まで全部を所有されているということかしら?
いずれにせよ素晴らしい栽培技術であり、それなりのスペースで栽培されておられるのでしょう。


訊ねたいことが多々あり、お礼の手紙を書くのに手間取りそうなので、先にお礼の品をお送りしました。
するとお礼の電話が掛かってきました。
お声からして、義理の妹ということからも、80歳前後。独り暮らしだそうです。
15年程前から毎年20品種ずつ送ってもらい、5年送ってもらった。
素鉢(素焼きの鉢=駄温鉢かと)の4号鉢に4芽植えして栽培しているそうです。
繰り返し確認しましたが、素鉢の4号鉢に4芽植えして、送ったような余剰苗が取れるそうです。
信じられません。上手に育てるものですね。
中には抜けたモノもあるようですが、品種表通りに118品種を栽培しているとのこと。

独り暮らしで植え替えも大変になってきたので、栽培を止めようかとよく考えるようになった。
そんな時に貴方のことを知り、栽培していて良かった。
いつもなら植え替えは終えているのだが、
「今年は寒いので、未だ植え替えていない鉢もあるのですが、もしよろしければと・・・。」
とおっしゃったので、「それならば是非また送ってください。」と甘えることにした。

故斎藤教頭先生の桜草は、尾張でも消滅しようとしていた。
私は故斎藤教頭先生の桜草を伝承していきたいと思う。


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