2007年09月01日
芋川禁漁区
今年H19年に大鳥川支流芋川(朝日村本郷地区)が山形県からの申し出を受け禁漁になったが、本当はH17年に要請があったのだ。しかし当時の組合長が、各支部の総代にも明かさず総代会にかけることもなく黙殺した。
昨年H18年6月の総代会で劇的な交代が行われ、新しい組合長に代わった。その後、各支部の総代たちは山形県から要請があったことを知る。そして話しが進み芋川が禁漁区になったが、県としては『今さら』なことで、あまり意味のない、どうでもいい禁漁区指定なのだ。
支部の方からは「5年間でも禁漁にして、サクラマスが増えるよう、是非役立ててほしい。」という申し出もしたそうだが、「いえいえ、H21年までの指定で十分ですよ」と県は断った。なにゆえH21年までの指定なのかというと、国家事業である赤川自然再生事業が終わるからである。
山形県だって馬鹿ではない。池産型のサクラマス孵化事業が失敗した今、次ぎのステップへ向け、川に遡上した親魚を採捕して、孵化&放流の形へ持っていこうと努めている。山形県は、当初は赤川を軸とした事業案を検討いていたのだが、赤川漁協がその都度全ての協力を拒否したので、村山市の富並川で行うことに決定した。予算も少ないのに、赤川に関わっていられないという分けだ。
サクラマスの孵化事業で一番困難なのは、親魚の確保である。親魚の生捕りは、巻き網でしか出来ないのだが、赤川漁協はサクラマス採捕従事者に県からの要請を伝えずに、「漁協は関与しない」と県へ伝えた。山形県のサクラマス孵化事業には、骨子の段階から赤川で巻き網漁を行ってきたサクラマス採捕従事者が協力して事業を継続してやってきた経緯がある。その協力たちから何も応答がないことに疑問に思った県職員が電話を掛けてきたことで、ようやく事態を知った。
また、サクラマスは春に川へ遡上して夏を過ごし、10月上旬に産卵するので、産卵間近に採捕するのが望ましい。しかし、サクラマスは10月1日から禁漁となるので、採捕には、県知事発行の特別採捕許可が必要となる。発行に際しては漁協の承諾も必要になるのだが、サクラマス採捕民間協力者への発行を、赤川漁協は承諾しなかった。そんなことが長年続いている(現在進行形)。採捕したサクラマスの採卵と孵化に関しても、赤川漁業協同組合員で構成されている赤川鮭生産組合も協力的ではなかったようだ。
富並川には規模の小さな川であり、サクラマスの採捕が容易であること。鮭の簗場もあり、孵化場もあるので便利。さらに県庁から近い。これからは最上川を遡上して富並川で採捕された種苗が、赤川を始めとする県内の各河川に放流されていくことになる。