木の化石 珪化木 出歩けば出遇う

さくら

2018年04月22日 18:00

ミヤマカタバミ、コシノコバイモを撮影した斜面より、もっと急斜面に取り付く爺さんと出会った。
残雪で行き止まりの山奥の、普通なら滑落を危惧して取り付かない急斜面である。この爺さん、ただ者じゃないな。
話し掛けると御歳90才だという。ウソだろ!!!!!

色々話していると、『長男は定年退職したけど、山には来なんだ』と愚痴ったから、年齢詐称ではないようだ。凄い。
現役時代は狩猟歴40年で、「この辺りの林道は全部俺が造ったんだ!」と、突拍子も無いことを語り始めたので
其処を突っ込んでみると、現役時代はブルトーザーを何台も所有して林道を切り開く仕事をしていたとのことです。
それを聞いた時、『あれれ!?』と2018年04月21日「木の化石 珪化木」と繋がった気がしたので
「珪化木って知ってますか?」「これくらいの丸太の珪化木が山積みされているのは、爺さん宅ですか?」と訊ねてみた。
すると、ビンゴ!! 「あそこは親戚の家だんどもの」と掘り出したのは自分だと教えてくれました。

どうして「ブルトーザー」「林道を切り開く仕事」で珪化木を連想したかというと、
丸太の珪化木は重いから運搬には重機が必要だというだけではなく、
少なくとも庄内で発掘されたホタテ貝などの化石は、護岸工事やトンネル掘削の作業中に発見されており、
採取場所を頼りに化石採りに出掛けても、地表から5m下に化石層があるんだとか、そういう話しばかりだったからです。
それに、丸太の珪化木が山積みされるほど在るのに、今まで私が出合って無いということは、
そういうことなんだろうなと感じたからです。実際、爺さんの採掘場所は、私が初めて知る場所でした。
「化石」カテゴリーから
2009年10月14日「立谷沢川の夢は幻.1
2009年10月15日「立谷沢川の夢は幻.2
2017年10月30日「温海温泉の珪化木

しかも、「採掘した場所で色と質が違うんだ」とまで語り出し、
相当採掘したようで、我々が知らないだけで庄内各地で産出するようです。
採掘した時の話しを聞くと、最初から短く分かれている状態で、
1個見つけると、後は線上に掘削していくとたくさん採取出来るのだそうです。
元々は1本の長い木なんでしょうけど、1本全てが化石化するのではなく、短く別れてしまうようです。

他にも色々貴重な話しが聞けました。
「40年間狩猟をして過ごたから知らない山は無い」「この辺りの林道は全部俺が造った」と豪語するので、
「福寿草を見たことがあるか。福寿草は自生していたのか?」と訊ねたところ
「福寿草はのう、いっぺは咲がねんだ。あちこちさ在るんだ」と言いました。
「それって、自生していたってこと?」と訊ねると、
「んだ、山さ咲いでだんとも、いっぺではねんだ。あちこちさ在るんだ」と繰り返します。
色々他の動植物で探りを入れて確信したのですが、『いっぺは咲がね』『あちこちさ在る』と言う意味は
「お花畑のように一面には咲いてはないない。ぱらぱらと散らばって咲いている」という解釈で良いようで
福寿草は庄内にも自生していたようです。
ちなみに桜草の事は、桜草そのものも知らない様子でした。次回またお話しを伺いたいと思います。



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