自然学習と自然保護

さくら

2015年06月16日 04:00

山形新聞地方版に載った1ケ月前の記事ですが、県や行政は、いつまで子供利用した似非学習を繰り返すのでしょう。
イバラトミヨの産卵期は5〜6月頃。産卵には枯れ草で巣を作るというのに、17名以上の人間が生息地に入り込めば
営巣に適した水草を踏み倒し、巣作りの材料となる細い繊維状の枯れ草を流失させることになります。
捕えられたイバラトミヨは学校で飼育され学習に役立っても、生息地の環境は破壊され、営巣数も減ることでしょう。

土地改良区は水路の改築工事の際には「メダカ救出作戦」と称して、地元小学生を利用したイベントを行い、
用水路にU字溝を設置して三面コンクリート張りにしてしまいますが
メダカは生息環境の悪化が原因で絶滅危惧種に指定されているのであって、メダカを救出するのは本末転倒なこと。
それなのに山形新聞は子供の笑顔の写真を使い、「捕えた個体は学校で役立てる」という論点の差し替えを毎回工作。
企画する県や公共機関、これを明る地方ニュースと取り上げるメディアの姿勢には、いつも悩まされます。


「自然に関心がある」という一般の方は、カワセミや鮎をみつければ「自然が帰ってきた♪」と喜ぶ人が大半ですが
実際にはカワセミや鮎などは何所にでも居るし、その逆に彼らは行く場所がないからそこに居るとも言えるわけで、
「自然に関心がある」なら尚更「木を見て森を見ず」にならないよう、留意していかないといけないのではないでしょうか。
一喜一憂する姿は、県や公共機関+マスコミに利用されやすいのですから。


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