コクチバス.2

さくら

2007年12月13日 07:31

【日本魚類学会と日本水産学会】

日本魚類学会は、在来種の魚の生息環境の保全にも努め、外来種の移入問題に取り組んでいますが、山形県は、水産業の観点から外来種の移入問題に取り組んでいる。山形県は、生産性を求める日本水産学会寄りなのかしら・・・。

日本魚類学会を極端に言えば、魚の生態を調べる学問。この魚はこういう場所に生息し、こういう行動をとる。この魚の鱗は何枚あり、ヒレの形が違う。などなど。生物・理科の先生たちです。

一方、日本水産学会を極端に言えば、漁業や養殖業などで、魚をお金に換算する学問=経済学です。数学・算数の先生たちです。

日本魚類学会
http://www.fish-isj.jp/
日本水産学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsfs/



日本水産学会の事務局は東京海洋大学内にあり、鶴岡市出身でブラックバス釣りを擁護する、水産経済学の水口憲哉氏(東京海洋大学名誉教授)が居られます。

ブラックバスを完全に保証できないなら、駆除活動は無益。ならば積極的に活用しましょう。ブラックバス釣りを普及させれば、釣具は売れる、ガソリンや高速道路が利用され、宿泊者が増えレンタルボートや釣りガイドなど、新しい雇用につながり経済が潤う。採算性と経済性が無いブラックバス駆除にお金を費やすより、経済効果が得られる、“活用”に費やしましょう。それが大人の賢い判断です。というのが水口憲哉氏の持論。

そんな水口憲哉氏には宮崎駿監督『天空の城ラピュタ』を観てほしい。シータが滅びの呪文を唱える前に言った「人間は土から離れちゃいけないの」という言葉の意味を考えてほしいですね。生物多様性は経済では語れない、未来に伝えていくべき、貴重な財産です。人間が失ってはいけない、かけがいのないモノがあることを、忘れないでください。

水口憲哉氏の出身地ということで、山形県内水面水産試験場が日本水産学会寄りと勘ぐるならば・・・。

予算がないので、自然保護に費やすお金はありません。みなさまからお預かりしている大切な税金ですから、有効に使わせていただきます。コクチバスのサンプルを提供して、余計な仕事(支出)を作らないよう努めるのも、県職員の使命であると心得ています。

ということで、コクチバスを1尾だけ提出しても、誰も気付かないでしょうからと、ポーズだけ作ったか。いずれにせよ山形県内水面試験場は、自然保護・環境保全する機関ではなく、水産業の機関ということです。



「ブラックバスやコクチバスなどの生息確認調査は行いません。」「被害届けが提出され、被害が確認された段階で、対策を検討します。」と私に言った県職員。“対策を検討します=対策するかしないかの検討を検討します”という公務員お決まり文句は、聞き飽きました。

「オオクチバス・コクチバスの被害額は幾らです?」「経済損失額は幾らになりますか?」「シナイモツゴがネット販売価格1尾400円ですから・・・。駆除費用の方が多く掛かりますね。」「経済効果が認められませんでしたので、止めましょう。」まさかね。



ブラックバスなど外来魚対策に積極的な県には日本魚類学会に属している職員が多く、HPもおもしろいです。

内水面水産試験場 — 山形県ホームページ
http://www.pref.yamagata.jp/ou/norinsuisan/145011/

青森県水産総合研究センター内水面研究所
http://www.pref.aomori.lg.jp/suisan/naisuimen/

岩手県内水面水産技術センタートップページ
http://www.pref.iwate.jp/~hp1250/

秋田県水産振興センター
http://www.pref.akita.lg.jp/icity/browser?ActionCode=genlist&GenreID=1146203150710

宮城県/内水面水産試験場へようこそ
http://www.pref.miyagi.jp/naisuisi/

福島県内水面水産試験場のホームページ
http://www.pref.fukushima.jp/naisuimen-shiken/

新潟県庁:内水面水産試験場・トップ
http://www.pref.niigata.jp/norin/chiiki/naisuimen/


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