2007年10月05日 11:30
田沢川ダムが完成してから、毎年10月上旬にサクラマスの産卵を観察してきました。当初は田沢川ダムが完成したばかりでもあり『いつか誰かが進言するだろう。』と思っていました。平成16年度の内水面漁業調整規則改正にともない、最上第八漁協は、簗場橋(阿部家の処の橋)から上流田沢川ダムまでの区間を禁漁区に設定しました。これで何とかなるだろう。そう思って見てきましたが、去年は1尾も見ることが出来ませんでした。このままでは‘百年の森づくり’の前に、魚が消えてしまいます。
【最上第八漁協】
そこで最上第八漁協の組合長さんに電話して「今後改善してもらえないだろうか」と話した処、とても個性が強い組合長さんで、「最上第八漁協は『田沢川ダムまつり』を認可している。地域の祭りに協力しているのを理解できないおまえは馬鹿野郎だ!」とお叱りを受けました。サクラマスの産卵場であることを理解しながら、まつりを優先する姿勢は、赤川漁協が早田川の橋脚工事を認めたのと同じものでした。漁協は魚の身方ではないようで、とても悲しくなりました。
山形県が最上町に建設を計画している最上小国川ダムの建設反対を訴えるために、先日も上京して、民主党の菅直人議員・脱ダム宣言した新党日本の田中康夫議員に面談し、訴えを伝えてきた小国川漁協さんはエライ。それでこそ魚の身方です。
http://www.yfn-net.jp/ogunigawa/dam/01.htm
【庄内総合支庁建設部河川砂防課】
田沢川に遡上したサクラマスに援護者がいないのは可哀想なので、山形県庁のHPで『この記事に対するお問い合わせ』として記載されていた庄内総合支庁建設部河川砂防課にも電話してみました。「今後改善してもらえないだろうか」と話してみたところ「ウチが主催ではないのですが・・・」と断りが入った後に、「サクラマスの産卵場であることと、禁漁区になっていることを知らなかった。」「今後検討してみます。」と言ってくれました。田沢川ダムまつり“協力”の庄内総合支庁建設部河川砂防課ですが、お力添えをお願いします。
【田沢川ダムまつり実行委員会事務局】
山形県庁のHPの『詳しくはこちら』をクリックして、主催事務局が平田総合支所建設課建設係であることを知り、電話を掛け、同様のお願いをしてみました。担当者は不在で、電話に出て下さった方にお願いして、電話を終えました。
サクラマスの産卵場の保全と保護のために、御一考いただきご配慮のほどヨロシクお願いします。
ダムは、丈夫な岩盤の上に建設されます。ダムが完成すると、上流から砂礫や石が流れ落ちて来なくなり、“河床低下”が始まります。河床低下を防ぐために田沢川ダム直下の河床も護岸されています。
軽い砂礫と小さな石は下流に流され、岩盤の河床が露出し、大きめの石も流されて堆積。このように砂礫が無い河床は、産卵に適しません。
『魚のつかみ取り』イベント会場の上流は砂礫が流失しており、石しかありません。その貴重な砂礫と石を使って“会場”を造っているのが、一番問題です。イベント会場の脇と下流は、まだ河床低下の影響が少なく、砂礫が残っています。小さなイベント会場の上流と下流で、河床の石が違うのが分かりますよね。
この砂礫がある場所こそズバリ産卵場であり、この砂礫が産卵床となるのです。既に禁漁区になっている場所ですから、田沢川ダムまつり実行委員会事務局と最上第八漁協さんにはコレを理解していただき、サクラマスの産卵場を保全しサクラマスを保護してほしいです。
秋になればサクラマスの産卵が観察できる河川は、これだけ条件よく観察できる河川は、恐らく山形県で此処だけです。それはそれで良い観光資源になるのですから、是非お願いします。