2014年02月17日

野生品種の命名に関して

私が現在所有している荒川沿いの野生品種(原種)の位置関係を地図で見てみたら、
さくら草公園から戸田を経て浮間公園まで、直線で8.6kmしかありませんでした。狭い範囲ですよね。
田島赤 埼玉県さいたま市桜区さくら草公園(荒川左岸)
戸田赤 埼玉県戸田市(荒川左岸)
浮間中洲 浮間公園東京都板橋区舟渡(荒川右岸)
浮間の光(さくらそう会「さくらそう」1〜13号掲載品種名)
中瀬紅 (なかぜべに) 埼玉県深谷市中瀬 細弁の野生品種

野生品種の命名に関して


私が現在所有している大分県の野生品種(原種)の位置関係を地図で見てみたら、こちらも狭かった。
九重山は九重町南部から竹田市北部にかけて東西15kmにわたって分布する20以上の火山が群立する。
久住山 阿蘇くじゅう国立公園(九重連山)
湧蓋  阿蘇くじゅう国立公園(九重連山)
雨乞岳 大分県由布山麓 雨乞岳(1074m)

野生品種の命名に関して

由布岳白という野生品種もあるそうですから、由布岳にも自生地があるのでしょうね。

野生品種の命名に関して


上記画像の雨乞岳の下に庄内という駅がありますが、私のいう庄内は下記画像、山形県の日本海に面した庄内平野のことです。
山形県庄内地方 庄内白(旧櫛引町中田地区)
山形県庄内地方 庄内赤(旧立川町東興屋地区)
山形県庄内地方 庄内赤(遊佐町大楯地区)

野生品種の命名に関して

庄内地方は広い平野なので庄内地方の野生品種を「庄内」と呼んでいますが、
上記のようなスケール基準で構わないなら、「庄内」も呼称をもっと細分化できます。

旧櫛引町中田地区の庄内白、旧立川町東興屋地区と遊佐町大楯地区の庄内赤に関しては
番地までピンポイントで分っていますし、距離が離れてますから、
「庄内」ではなく『中田』『東興屋』『大楯』と命名しても問題無いレベルでしょ。やりませんけど。

野生品種の命名に関して

由利浜という野生品種が出回っています。
由利が地名だとすると秋田県由利郡しか考えられず、由利郡の浜辺の地域という解釈でしょうか。
しかし秋田県由利郡に桜草自生地は存在しないので、由利浜は産地不明の野生品種である可能性が大です。
さいたま桜草会に、小机白が存在しますが、小机地区がある横浜さくらそう会に小机白は存在しません。
小机地区に白花は無く埼玉から白を持ち込んだだけなので、
さいたま桜草会の方が小机地区から『埼玉から持ち込んだ白』を持ち帰り、小机白にしたらしいです。
にかほ市と本荘市では山野草会の活動が活発で、産地不明の野生品種を栽培する方は多くみかけます。
恐らく誰かがそれを持ち出して、由利浜と命名してしまったものと推察する次第です。

仙台さくらそう会の浦部さん所有の宮城県の野生品種も自生地=採取地は細かく具体的です。
宮城県仙台市国見酔白(宮城県で唯一の白花系。宮城県にこれ以外で白花は存在しない。)
宮城県仙台市泉区南光台天ケ沢(「泉」という品種名で出回っている個体もありますが、それより具体的。)
宮城県柴田郡川崎町釜房(「川崎」という品種名で出回っている個体もありますが、それより具体的。)
宮城県遠田郡涌谷町
宮城県亘理郡山元町深山

直線で8.6kmしかない狭い範囲の採取地不明の桜草を、細かく分類して命名している地域がある一方で、
「仙台」「山形」と呼称する野生品種が存在し流通しています。
しかしながら山形市に自生地は存在しませんから、「山形」という品種も存在しない、産地不明の野生品種です。
「仙台」という呼称は大雑把すぎます。
「仙台=仙台方面の野生品種」という意味なら、同じく産地不明の野生品種。
スケールで考えると田島〜戸田〜浮間、九重山〜久住山〜湧蓋と同レベルという解釈なんでしょうけど
地元から言わせてもらえば「仙台」「山形」という品種は存在しません。産地不明の野生品種にすぎません。


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