2012年06月06日

TOYOTAの偽善

トヨタ アクア|TOYOTA AQUA SOCIAL FES
美しい山形をつくるため、シンボルである最上川のゴミの回収と調査を行います。
『美しい山形、そして最上川を未来に引き継ぐために、云々』
『本気で考えているから、しっかりと。最上川を想う人、集まれ!』
http://aquafes.jp/projects/8/

所詮は大企業と大手広告代理店に因る自然を出汁に使った偽善のお祭り。
FESなんだから、賑やかになればそれで良い。中味は企業PRイベントなんだから、それで成功。

TOYOTAの偽善


トヨタは言わずと知れた自動車メーカーだから、ゴミを分析して
プラスチックやアルミ、鉄などのリサイクル方法、
リサイクルが容易な製品造りで社会貢献できることでしょう。

しかし唱い文句は “最上川” だし、企画そのものがAQUAです。
最上川を未来に引き継ぐために、本気で考えて、最上川を想う人を募るなら
ゴミ拾いじゃなくて、外来種の駆除を行うべきでしょう!

それならサイトの画像にも納得ですし、凄いぞ!と共感しますが
トヨタは何故この黒い魚を取り上げたのでしょう。
この黒い魚が最上川を未来に引き継ぐシンボルとなる魚だというのでしょうか。
トヨタは何をもって
『本気で考えているから、しっかりと。最上川を想う人、集まれ!』
と言っているのでしょう。
呆れてまうし、今の最上川の現状を皮肉っているわけでもないから笑えず、怒りを覚えます。

最上川に無関係で深いメッセージも無く、魚種名に無関心のまま、色彩の鮮やかさだけで採用した画像なんでしょうけど、
ギギは国内移入種。その内にブラックバスやコクチバス、ブルーギルを登場しかねない愚行です。face09

TOYOTAの偽善


> 最上川は源流から河口まで山形県を流れる、山形県の母なる川。
> 美しい山形、そして最上川を未来に引き継ぐために、云々。


何も考えず上っ面だけの美辞麗句を並べ、行間を埋めるべく口先だけで語るから、こういう愚行を行ってしまう。
メッセージ性不要な魚の画像で良ければ、山形県の魚サクラマスを使えば良かったのだ。
大手広告代理店は、各県に魚が制定されていることも、山形県の魚が何なのかも知らなかったのでしょうね。



閑話
仮にギバチと勘違いしたとしても、山形県内に生息していないと私は考えていますから、余計に滑稽です。
山形県レッドデーターブックの淡水魚篇は、
『庄内淡水魚探訪記』の著者である岡部夏雄氏の指摘で、発刊が遅れに遅れ
執筆者に採捕地点を尋ねても公表せず、誰にも知らされておらず、サンプルも写真も無い
資料と中味の信憑性が問われている一冊なので、あてになりません。
昔は生息していたと言われていますが、
山形県の淡水魚の生息状況において数々の発見をしてきた岡部さんをもってして採捕されていませんし
ときおり聞くギバチの採捕情報はギギやアカザの誤認ばかりです。
魚を知らない人は、ギギやアカザも知らないわけで、
そんな人がギギやアカザを採捕すると、見た事がない魚=貴重と考えるのは当然の心理でしょうし
ネットや図鑑で調べれば、貴重な魚が取り上げられますから直ぐ目に付いて、
「これじゃない?」「これかしら」「貴重なんだって」「珍しい魚だもんね」「ギバチよ」となるのかと。

最近は身近な自然環境に関心を持つ方が増えてくれ、嬉しいのですが、
鶴岡の内川でン十年ぶりにイバラトミヨ発見。と赤川漁協の組合員が発表したり
山形大学農学部前の水路でイバラトミヨ発見。と大学がニュースになったりしていますが、
岡部夏雄さんは『庄内淡水魚探訪記』を赤川漁協にも寄贈しており、イバラトミヨは確認済み。
山形大学農学部前の水路でざっこしめしている小学生は、「前から居っだけよ」と言う始末。
そもそも内川の水が山形大学農学部前の水路を流れているのだから、生息していて当たり前。
知らない人が読めば喜ばしいニュースも、知っている者には愚かな話題が多いのが現実。

年輩の方々も貴重種といわれる魚の名前だけは覚え始めたようで
「此処にはシナイモツゴも生息している。」と良く聞かれるようになりましたが、
そういう場所に限って『生息していませんから!』ということが常です。
地主さんが「こんな場所さ、魚なんか居っだろが?」というような場所にしかシナイモツゴは残っていません。
貴重種は、個体も貴重ですが生息地が何より貴重なので、その場所を視ると想像ついちゃうんですよ。

ギバチは庄内地方には生息したおらず、生息しているとすれば内陸地方ですが、
内陸地方は盆地なので川と水路には落差工が多く設置され、流程が分断され魚が遡上できませんし
内陸地方はバス釣り愛好者が多く、水源となる山間地の池や沼、堤に
ブラックバスやスモールマウスバスが密放流によって蔓延していることからも
謙虚で真摯な岡部さんは、消滅と断定できる材料がないので、生息の可能性を否定していませんけど
私は山形県内にギバチは既に消滅したと捉えています。

ギバチを採捕したこともないので、憶測で語りますけど、ギバチは清流の魚。
イバラトミヨやヤリタナゴ、ホトケドジョウやシマドジョウと同じような清流の魚で
川底が石の場所を好むでしょうから、ヤリタナゴの生息地に近く、水路がコンクリート張りされたら消滅というイメージ。
移入種のギギは鮒や鯉が棲む場所、流れが弱い淀んだ場所に生息。
山間の沢を塞き止め造られた灌漑用水池に、ブラックバスやブルーギルが密放流され
灌漑用水池からの水路はコンクリート三面張り。
淀んだ場所のブラックバスやブルーギル、ギギは、コンクリート三面張りの滑り台を伝って下流へ到達。
下流で駆除しても上流で営巣しているのですから駆除しきれず。下流の魚は消滅。
そんな構図でギバチが生息しているとは考え難いのです。
ギバチが採捕されず移入種のギギが増えたのは、こういう川と水路の様変わりも原因でしょうね。



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Posted by さくら at 12:00│Comments(0)その他12
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