2011年10月03日

生態系崩壊の予兆.2

ブルーギルは、エラの突起が青いことから命名されている外来魚で
ブラックバスの餌としてバサーがブラックバスとセットで密放流したことで拡散した。

ところが、ブラックバスはブルーギルをほとんど食べない。
日本の川は生物多様性にあふれ、多くの在来種が生息し、
ブルーギルのようには扁平で身が薄く
背びれが棘状に鋭くて食べ辛いブルーギルを無理して食べる必要がない。
甘露煮や佃煮で人間も食べている在来種を好んで捕食しているからだ。

2010年09月15日『ブラックバス駆除』で紹介したとき、ブルーギルの採捕数は少なかったが、
今年は尾数・サイズとも過去に例をみないほどで、大きなブルーギルが18尾も捕れた。
他にも小さなブルーギルが一度に数尾ずつ捕れた。これも今までになかった出来事だ。
小さなブルーギルはその場で遺棄したのでカウントはしていない。
全部カウントすれば相当な採捕尾数になっていたであろう。
外敵が見向きもしなくなったことでブルーギルは静かに繁殖し、爆発的に増え始めたようだ。



ブラックバスを動物に例えると、ライオンである。
ライオンには外敵がいないから平原で暮らし、逃げも隠れもしないので容易に発見できる。
肉食性で草を食べないので獲物が居なくなると餓死してしまう。
ブラックバスも同様で、見つけ易いから観察ができる。
獲物が居なくなると共食いをするので、過密するほど爆発的な繁殖はおきない。
ところがブルーギルは違う。

ブルーギルを動物に例えると、マングース、ミンク、ハクビンですかね。
物陰に潜んでいるので、生息していることは判っていても実態が掴めず、生息尾数など掌握しつらい。
繁殖力が強く、環境変化に強く、雑食性で何でも食べる。
ブラックバスは肉食性なので餌が無いと共食いをするし、死滅もする。
ライオンのような荒々しい肉食性なので、小さな水生昆虫やエビやドジョウなどは意外と生き延びている。
ブルーギルも水生昆虫や小魚を食べるが、金魚のように水草や苔も食べるので簡単には死滅しない。
さらにマングース、ミンク、ハクビンのような獰猛さをもっているので
小さな水生昆虫やエビやドジョウなどまで、根こそぎ喰い尽くしてしまうから
ホタルやトンボ、カエルが完全に姿を消してしまう。
さらに大きく育ったブルーギルは、ブラックバスの産卵床を襲い卵を喰うというから驚く。

ブラックバスはライオンであり鷲や鷹のように、姿を現した獲物を捕えますが、
ブルーギルは扁平なボディを活かし、
マングース、ミンク、ハクビンのように、相手の巣穴に入り込んでまで、獲物を捕えるイメージ。

水辺の動物でもっとも凶暴で危険なのはワニのようでも、実際危険なのはカバだそうです。
川の魚でもっとも凶暴で危険なのはピラニアのようでも、実際危険なのはカンディルだそうです。
外来魚で一番問題視されているのはブラックバスに思われますが、魚ではなくバサーが問題であり
外来魚で一番問題視されているのはブルーギルなんです。
ブルーギルが増えてしまったら手の施しようがない、そんな厄介な魚なのです。


今回の画像を専門家に送って視てもらったところ、下記のような返信をいただきました。
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駆除ご苦労さまです。
でも、水路に残ったのを採捕しただけで、沼や川にはもうたくさんいるでしょうね。
ブルーギルは爆発的増加の直前と思います。
今後は、最上川のワンド(淀み)や京田川で、
1平方メートルあたり100尾くらいになり、在来魚は消えていくかもしれません。
山形のように、組織的に駆除する体制がないところでは、どうしようもないかもしれません。
まず、上流の生息地からつぶしていかないと。
サイズと年齢の関係は餌条件でどうにでも変わるので、なんともいえません。6−7年は生きるでしょうし。
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『1平方メートルあたり100尾くらいになる』という点がブラックバスとは違う処です。
ワンド(淀み)は流れの緩い場所で、小魚の憩いの場です。
川が増水した時には、魚たちの避難場所となる所です。
そこにマングース、ミンク、ハクビンのような獰猛な魚が『1平方メートルあたり100尾』も居たら
ワンド(淀み)に入ってきた魚は、ことごとく食べ尽くされることでしょう。
そんなことになれば在来種は消滅してしまいますよね。


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ブルーギルは、過密池では1年で3-4センチ、2年で5-7センチ。
成長が早い池では2年で10-14センチまで育ちますから、体長から年齢は判断できません。

オイカワやウグイ、モロコやモツゴは、ブルーギルの産卵床の卵を食べます。
ですから、在来魚が多いとブルーギルも簡単には増えません。
琵琶湖では、ブルーギルが入ってから30年が経ち、ブルーギルだらけになったといわれますが、
その過程でブラックバスに因って在来魚が減ったことが関係しているのではと考えられています。

それから、流れの強い河川ではブルーギルもブラックバスも生きられないので、
まず増えるのはワンドや周辺の池です。
ブルーギルの成魚を駆除し、さらにブラックバスを取り除くことが必要です。
ちなみに、ブルーギルはブラックバスの卵を食べて減らします。
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やはりウグイやオイカワといった在来種がブルーギルの繁殖を抑えていた。
その在来種がブラックバスに喰われて減少し、ブルーギルの大量出現した。
ブルーギルの大量出現は、それら、在来種の現象を意味していたんですね。
定期的に駆除する必要があるようです。


庄内のブルーギルはバサーに因る密放流ではなく、
内陸の湖沼の生息地から最上川へ流出したブルーギルが、
最上川から取水している灌漑用水路に入り込んで繁殖したものです。
庄内平野の田んぼの大半は、最上川の水を使っていますから、
北は本楯地区、南は赤川右岸域の広大なエリアにブルーギルが拡散していることでしょう。



最上川からの主要幹線水路の山手の溜め池には、
バサーに因りブラックバスが密放流され、バサーがバス釣りを楽しんでいます。
大きくない池ですから、ブラックバスのサイズも個体数も限界があり、
大きく育てるためにバサーがブルーギルを密放流することも懸念されます。

ブラックバス、ブルーギル、スモールマウスバスは
2005年6月に施行された特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)で特定外来生物に指定されたため、
生息地からの生きたままの持ち出しや他所への放流、保管、飼育は禁止されています。
今回も採捕した全ての個体には、畑と土手の肥料になってもらいました。

以前からお願いしていることですが、
んだ!ブログ参加の方の家族の中にバサーと呼ばれるブラックバス釣りを楽しむ釣り人が居たら
生態系保全のためにも未来へ豊かな自然を残すためにも、ブラックバス釣りをさせないよう注意喚起をお願いします。
またブラックバス、ブルーギル、スモールマウスバスを採捕&釣った場合にはリリースせず、処分してください。









タグ :環境

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この記事へのコメント
確かに放流は絶対ダメ。しかし外来種も人間も同じ命。
人間の手によって簡単に粗末にして良い事なんでしょうか?

放流と同じぐらい駆除という行動に不快感を感じます。
Posted by 庄内人 at 2011年10月04日 14:50
庄内人さん、
コメントありがとうございます。
庄内人さんがおっしゃる気持ちも分りますが
居てはいけない場所に生息し、
生態系に悪影響を与えている現状では早急に駆除すべきでしょう。

奄美大島に放たれたマングースが生態系に悪影響を与えていると気づいたキッカケは、
小鳥のさえずりが聞こえなくて、森が異様に静かだと気づいたことだそうです。
今回の私のBlogネタが杞憂で終わることを願っています。
Posted by さくらさくら at 2011年10月04日 22:32
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