2007年11月17日

因幡堰.2

大堰ポケットパークに居るという4種類の魚、メダカやヤリタナゴ、アカヒレタビラ、ジュズカケハゼは、実はとても大切な相互関係にあり、豊かな生態系を示しています。

素堀の時の因幡堰は当然泥底で、岸辺には葦が生い茂り、護岸の石垣もありました。メダカとアカヒレタビラは葦原の中を好み、ヤリタナゴは石垣の窪みを隠れ家にして、棲み分けがあります。‘ざっこしめ’していても、メダカとアカヒレタビラ、ドジョウは一緒に採れる事が多く、ジュズカケハゼは石を好むので、ヤリタナゴと一緒に採れる事が多かったです。

因幡堰.2


で、肝心なのは、看板に描かれていない、ドブガイ(二枚貝)とジュズカケハゼとの相互関係です。

アカヒレタビラとヤリタナゴは二枚貝にのみ産卵するので、ドブガイが無いと繁殖できません。一方ドブガイの産卵は、水中に卵を放出。放出された卵はジュズカケハゼやドジョウのヒレなどに寄生して成長します。寄生できなかった卵は、そのまま死滅します。ドブガイを利用しているアカヒレタビラとヤリタナゴには、ドブガイの卵が寄生できないので、ジュズカケハゼやドジョウのが居ないとドブガイは繁殖できず消滅。アカヒレタビラとヤリタナゴも消滅してしまうことになります。

二枚貝の生息には潜れる泥などが必要で、コンクリート張りとなった因幡堰は、二枚貝に配慮がなされていない事になります。結果、素堀の時の生態系は維持できません。

因幡堰.2


大堰ポケットパークは最大水深1.5mときいていますが、池の鯉と違って、メダカやアカヒレタビラとヤリタナゴには、そこまでの水深は不要です。鮒と金魚じゃないので広場よりも、棲み分けできる葦や石垣といった隠れ家の方が重要です。

ドブガイにも水深1.5mは深すぎると感じており、生きているのでしょうか。また、ジュズカケハゼやドジョウはポケットパークに、遊びに来てくれるでしょうか。願うばかりです。


タグ :環境

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Posted by さくら at 18:53│Comments(3)その他07
この記事へのコメント
[さくら]さん、こんばんは。
水の中で、こんなに複雑な寄生・共生に世界が繰り広げられているとは知りませんでした。
支え合い、戦い合ってきた生命の世界の歴史のすごさを感じます。
Posted by bin at 2007年11月17日 22:34
binさん、
以前から、どうして二枚貝は消滅しないんだろう?と不思議でした。魚に寄生して上流へ移動していると聞かされた今でも、俊敏に動く魚にどうやって寄生するのか、イメージがわきません。

寒くなってBlogネタがつきてきたので、その内、二枚貝を語りたいと思います。(^^;
Posted by さくら at 2007年11月18日 19:43
[さくら]さん、こんばんは。
自然界には人間の知識でははかり知れないところがいっぱいですね。

お互い「アウトドア」世界、この天気はつらいですね。
せめて日曜日だけでも晴れてくれないと。
Posted by bin at 2007年11月18日 20:26
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