2007年11月05日
外来魚対策.2
十の沢池では、1400尾採捕されたことより、池が恐ろしく単純な生態系だったことより、二度もブラックバスの密放流が行われたことが問題です。
やはり、なんのためにブラックバス駆除を行うのかという行政の姿勢と主旨をハッキリ現し、駆除の開催を広く告知して地域の小学生や中学生、公益文化大学も交えて、外来魚問題を考える機会にするなどの、問題意識を植え付ける運動が重要ではないでしょうか。
山形新聞に掲載された記事を読むと、行政主導ではないようで、今回の十の沢池のブラックバス駆除は『生態系への配慮』もあったと書かれていますが、01年11月03日の駆除で十の沢池と下流の水路の生態系は滅んでいます。
06年12月24日に行われた中の池のブラックバス駆除では、マスコミに公表することなく、コソっと隠れるように県と鶴岡市が協同でブラックバス駆除を行いました。中の池も00-01年まで絶滅危惧種であるシナイモツゴが生息していましたが、ブラックバスが確認された時には、鶴岡市と県にシナイモツゴの保護とブラックバスの駆除を陳情したにも関わらず動いてもらえず、以後、中の池ではシナイモツゴは確認できていません。
このような経緯と状況の池を、今、ブラックバス駆除する理由が、私には今ひとつ理解できません。
06年12月24日の中の池での駆除の成果を鶴岡市職員は「こんな大きな個体が獲れたよ。(^^)」「あんなにたくさん駆除できましたよ。(^^)」と笑顔で語ってましたが、保護すべきシナイモツゴはどうなったのでしょうか。行政は、駆除行為に“サイズと尾数”という駆除の成果を求めるあまり、ブラックバス駆除の主旨を見誤り、意義を軽視しているとしか思えません。
ゴミの不法投棄問題では、不法投棄されたゴミを回収して、「大きな冷蔵庫やタイヤを回収できたよ」「何トン回収できました」と喜ぶ関係者はいないのに、ブラックバス駆除では、どうしてそれで終わらせてしまうのでしょうか。山形県の外来魚対策は、駆除する主旨が曖昧で中途半端で、ぼやけすぎです。駆除したブラックバスのサイズと数を“駆除の実績”として示したいなら、もっと大きく育てて個体数を増やしてから行えば良いのです。
今は昨日掲載した内陸地方のコクチバスの駆除が最優先事項だと考えます。採捕された持ち込まれたコクチバスは僅かです。今堤と水路で駆除作業をおこなっても、行政が自慢できる“サイズと尾数”は採捕できないかもしれませんが、とても意義ある事です。コクチバスが拡散してからでは遅いのです。
絶滅危惧種とザッコに生産性はありませんが、豊かな自然は県民の貴重な財産です。安孫子農林水産部長は『生態系への配慮』と公言したわけですから、“恐ろしく単純な生態系”がこれ以上拡大しないよう迅速なる対応を検討いただき、頑張ってほしいと思います。
昨年4月下旬(GW?)の話しですが、中の池に山形ナンバーの車が止まり、若者が数名でブラックバス釣りをしていました。聞けば公益文化大学の新入生たちで、入学して1ケ月もたってないでしょうに、「教えてもらって遣ってきた」と言いました。公益文化大学では国交省と共同主催で川作りフォーラムを開催したり、カブトエビをはじめ環境学も勉強している大学ですから、外来魚問題と対策にも取り組んでほしいです。