2010年03月23日

作出者一覧表

浪華さくらそう会『日本桜草総銘鑑(最新版)』には、
数多くの品種名と作出者が掲載されており、大変重宝していますが
品種名が五十音順に掲載されているだけで、作出者の作品一覧がありません。
そこで、作出者の作品一覧をエクセルで作ってみました。
Blog上にエクセルでは掲載できませんので、箇条書きで紹介します。


<あ行 17名>
浅田雅巳:飛鳥の曙。
荒井与左衛門(明):紅女王。
池田喜兵衛:折紙付(昭前)、古今の色、桜狩、紅小町(昭前)。
伊集院兼知(大正):三田自慢、三田の光。
伊丹清:姉娘、異端紅、初声、御目見得、貴妃の笑、君の微笑、小海蒔絵、心意気、零れ紅、初心、白梅(しらうめ)、月天心、匂紫、白梅(はくばい)、はにかみ、春の海、娘心、娘盛、やすらぎ、雪見絵巻。
伊藤重兵衛(明40):朝日、浅間、出雲、厳島、鹿島、香取、敷島、千歳、八重山(明40)八雲(明治)。
岩崎覺:浜名獅子、浜名の重、紫小梅。
浦沢儀行:茜雲、紅梅、白加賀、つく羽根、初紅(はつくれない)、初紅(はつべに)、緋乙女、雪の精。
遠藤栄一(大正):暗夜の光。
大石光:白汀。
大山玲瓏:曇りのち晴れ、車白。
大鐘あぐり:風車(昭前)、国の光、興亜の春、五大湖、紫雲の鐘、上絞、母の恵。
岡田丈夫:燕蜻蛉。
小笠原孫七郎:七宝、充満、智仁勇、曲玉(小笠原孫七郎?)。
小沢仲二郎:千羽鶴(同名あり)
尾崎哲之助:葵上、欣喜、光栄、式部の誉、野火、花筺、藤の里、武蔵野。
尾崎康一:青葉の光、琴の調、春告鳥、窓の梅。

<か行 9名>
金子善彦:湘南白珠、湘南紅、湘南群千鳥。
川端利明:風の舞、天真爛漫。
北村基郎:滝野川。
久保田美佐子:明の明星、入方の月、浦の松、幼遊び、於福、影の桜、霞の空、雲居の波、雲間の月、源氏星、紫淵、柴車、柴積舟、松籟、白絣、末姫、烏珠、萩重、鳩笛、花染の袖、花の袖、春寒、星の光、星迎え、松影、叢雲、紫の薄様、夕影、由可里の色、落下の舞。
久米道民(昭10):北斗星。
黒田信男:浮間五台紅。
小池袈裟美:古城の畔、小諸撫子、信濃姫。
小暮梅子:中瀬紅(斎藤 海瀬紅)。
越智英一郎:淡蜻蛉、小猿、小天狗、桜三里、笹鳴、鶴龜、春の波、ふくろう。

<さ行 9名>
斎藤好明:海瀬紅(小暮 中瀬紅)。
斎藤忠三郎:打出槌。
佐々木利邦:星の海。
柴田精一郎:冠雪、乾杯、京舞曲、旭日、金鵄、小紫撫子、早乙女、讃歌、静香、縞模様、春風駘蕩、小撫子、初夏の涼、瑞光、聖火、早春賦(宮本 紅春賦)、大雪山、鶴舞、桃源の夢、羽衣の舞、初音、花供養、春一番、春の訪れ、春山の装、雛祭、火祭り、白夜、福娘、慕情、万寿、魅惑、紫の袴、桃の精、夕霧、夕霧2、夜の梅、夜の梅2、乱舞。
柴山政愛(大正):朝霧。
柴山政富(明治):富士越、富士越竜。
巣鴨塚萬(明治):大和神風。
鈴鹿義一:艶姿、遠霞、美女の舞、平沼(大正)、吹上桜(昭前)、向花笠。
鈴鹿冬三:寿々の花。

<た行 14名>
高木勇:青葉の緑、薄化粧(同名古花在り)、乙女の姿、思寝の月、月下の舞、越路の曙、越路の絞、越路の春、松宴の駒、松思の舞、惜春、高根絞、高根の雪(同名あり)、棚田の月、初姿、富岳、紅汐、豊艶、明星、夢路、涼風。
高橋徹:荒川の月、祝獅子、卯月の乙女、映り紅、梅の香り、梅日和、浦安の舞、鏡獅子、篝火(同名古花在り)、影法師、郭公、華宝、川千鳥、観桜の宴、貴公子、綺羅星、渓流、光彩、故郷の空、栄紅、桜の翁、桜桃、山紫水明、七分の幸、大地、滝桜、竹蜻蛉、竹馬の友、稚児姿、桃林、共白髪(異名 友白髪あり)渚の乙女、旗頭、花毛槍、花今昔、花便り、花ちりめん、花尽し、花堤、花の乱、花日傘、花纏、春の光、春の宿り、平成紫、瞬、汀の乙女、水面の風、都の風、桃山白雨、夢灯り、夢源氏、竜宮の使、麗春。
高橋三千男:胡蝶の夢。
竹岡泰通:明の梅、淡墨小町、朧獅子、清滝、清鶴、里の雪、そよ風、竹生島、鳴門、鳰の浦、花霞(同名あり)、春の宵、藤霞、祭囃子、蓑の雪、京の梅、紅葉川、桃雀、山路の朝、夕涼み、夕焼空、雪兎、宵の梅、陽春。
玉井忠幸:青空、秋茜、齋灘の落日、宴の梅、梅鉢、薫る梅、風の精、(紅梅)、紅梅F-1、皿の雪、(志津川)、瀬戸の梅、東王父、登子、友の恋歌、涙雨、梅花の宴、藤撫子、紫小袖、(紫珊瑚)、(明妃)、(雪舞)。
田村景福(大正):雨乞小町、汐煙・塩煙、秀美、手中の玉、花孔雀(手中の玉と同じか)、藤の下水、夕陽紅(大7)、瑶台の夢(大正)。
塚越豊:春雪、錦緋の重。
辻武助:玉蘭花、二重蔓。
徳永雅明:茜空、伊都桜(昭50後)、伊都の初春、加寿の栄、鴨川踊、掬寿、京の淡雪、京の舞子(昭50後)、京の都鳥(昭50後)、京の雛雪、紅一点、寿の春、幸の姫、五月晴(さつきばれ)、大祝杯、白光梅、飛天の舞、富美の花台、美耶古、明朗、雪牡丹、和代。
毒島章一:京小町。
戸田康保:鶉山、外苑の勇(大元)、海王星(昭元)、神田祭(大元)、五月晴(ごがつばれ)、西城の錦、昭和の春、白孔雀、墨田の花火、戦勝、戦友、常の花、花の玉(昭元)、富士の曙(昭元)、蛍の光(昭元)、深山撫子、目白台。
富永喜三郎:須磨浦。
冨増和彦:青鷺、粟津の春、粟津紫、石山寺、宇治の流れ、笑顔、乙女椿、音羽の花笠、篠津鏡、篠津光、篠津藤、白羽の乱、白羽舞、反縞、時々八重、鳰うらら、花飴細工、蛍草、紫あられ、紫矢車。
鳥居恒夫:山下白雨。

<な行 6名>
中村長次郎:青鑼、鶯宿梅、源平の誉、(紅玉)、(古代紫)、四海波、紫宸殿、(十曜星)、春宵一刻、白鷺城、新玉光、新四海、新十州、墨染源氏、反り鑼、(大風鈴)、天女、桃源境、姫桜、無弁花、桃鑼(八重一重)。
中村宏:明日香、淡き光、今猩々、浮舟、梅の里、吉祥天、桐壷、古都の春、紺碧の空、桜獅子、桜吹雪、傘寿の春、紫電、寂光、珠玉、曙光、白鷺(同名異種あり)、玉の盃、東天紅、匂う宮、白雲郷、白虹、花筏(同名あり)、花のかんざし、花の曇、花の司、花祭、春風、春の詩、春の声、晴姿、微笑、紅鈴、桃山、夕鶴、夕焼け、歓び、流星、麗人、童唄。
中村理行:十九の春、三原台。
永井誠也(大正):天下、小笹の雪(同名あり)、関台紅(大5)、高長桃色、母の愛、吉野川。
西田信常(大5):慶雲、春湖。
野本修司:小雪の森。

<は行 6名>
橋本徹:愛、玉光峰、寿絞、但馬の舞。
長谷川圭司:中尾の梅、紅車。
原島徳一:明妙、赤光、月影の梅、星の輝、羊華。
原島浩:羊草。
平尾秀一:テトラ。
福井貞吉:日比谷、雪谷。

<ま行 8名>
松木俊一:石橋(同名あり)、白珠、太陽の塔、武蔵嵐山(昭前)、雪祭。
三浦千代丸:穀雨晴、新雪、晨長、千代の梅、童子梅。
溝口正直(明治):青霞、薄雲、古金襴(明38)、小町の舞(明38)、彩色班々、笹の波、掌中玉、処女の舞、白鷺(同名異種あり)、大朱冠、立田錦、初日影、花曇、花摺衣、花の丘、花の冠(明38)、花の滝、花の玉章、春霞、萬里響、人丸(同名あり)、故郷の雪、星月夜、深雪笠(明38 最大輪)、八橋(明38)、許の色、蘭奢待。
水上左門:鴨緑江。
峰岸優:極光、春裳、即位の宴、白鳳。
三宅斧次郎:萬里の響。
宮崎三千男:赤冨士、秋の風、朝涼、飛鳥の夢、一陽来復、浮き雲、絵鑑、お手玉、落し文、乙女の祈り、踊り子、面影、織り姫、風衣、花鈿、邯鄲の夢、恋衣、恋の神、小江戸の春、桜鼠、里の灯、里の乙女、裾模様、清風明月、高根の空、玉の簪、玉の輿、玉の雫、露紫、灯し火、渚の月、合歓の雨、濁り酒、灰桜、花扇、花影、花片、春朧、春の朝、春の暮、春の峰、春日傘、日傘の女、藤紫、水の音、耳飾、雪の空、夢の華、夢枕、宵闇、四方の春。
宮本米吉:糸車、尾久の輝、尾久の光、唐紅、紅春賦(柴田 早春賦)、細雪、紫霞波、式部絞、白篝、桃花水、鴇の郷、峡田の思い、春の茜、春の微笑、紅偲ぶ、桃目白、雪景色、雪の手紙、瑠璃絞。

<や行 3名>
山内勝貞:淡墨、おぼろ月夜、胡臙脂、桜貝、静かの海、白兎、花散里、春の嬉蝶、春の装、藤江の浦、藤の宴、桃の盃。
山原茂:空穂猿、(淡海小波)、風の音、金田の夕、標野行、(春雷)、徐名燦、白鈴、白手毬、手牡丹、桃園蜃気楼、豊旗雲、流れ星、名残雪、光る雪、(吹き寄)、雅、紫狩、群千鳥(同名あり)雪野山、竜睛。
吉川重信:静。



日本桜草の品種は膨大で、気に入った花を選んで栽培していたのでは、収拾つかなくなりそうなので
これからは作出者や類似品種名、実生の系統といった“共通した括り”で収集して行くつもりです。

例えば実生の系統では、山原茂氏と中村長治郎氏の作出花。
http://www.sakurasou.jp/newpage89.htm
目白台と芽変わりの唐紅。 大明錦と紅単色の日の丸。木枯しと紅単色の花大将。
類似品種名や類似品種の繋がりで考えると
大杯と大盃は類似品種名。大盃と日の丸は類似品種。
類似品種名と鳥居著『色分け花図鑑 桜草』の類似品種を参考にすると
『艶姿、通小町、藤娘』+『藤の里、真如の月、瑶台の夢、光輝殿、鈴の音、目白台、唐紅』

竹岡泰通作出 雪兎 紅葉川
兎つながり 雪兎 白兎
目が赤い   青葉の光 白兎
尾崎康一作出 青葉の光 春告鳥
鳥居著類似品種 春裳 春告鳥
春つながり 春湖 春郊

こんな感じで繋がりを考えて品種選びをしていると『三田の光』という品種名を発見。
『三田自慢』と一緒に栽培できたら面白いだろうな。と思い調べてみたら
作出者は同じだったのでビックリ。
インターネット上で見た花が素敵だったので調べてみたら、作出者が同じだったこともありました。
そんな事があったので、作出者をまとめてみた次第です。みなさんの参考になれば幸いです。face01


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この記事へのコメント
大変な作業を、ご苦労様。参考にさせていただきます。
さてこのブログのどこかで「金子紫」というのをみました。この花は横浜さくらそう会の今では指導的立場にいるNさんが、まだ入会間もない頃、仲間に金子という人がいた。その人からラベル落ちの花を貰った。会の先輩にどうしたものか相談すると金子さんが持っていた紫っぽい花だから金子紫にしたら、となった。
 昭和40年代の始め、Nさんもその先輩もまださくらそうの栽培上のルールを理解していなかった。本来なら外に出すべきものではなかったとNさんは反省しています。それが出回ってしまった。後年鳥居恒夫さんに見せたところ「宇宙」の実生かもといわれたそうですが、素性ははっきりしません。お手持ちの方はその辺の経緯をふまえて栽培してください。
Posted by 三宅修次 at 2010年03月23日 22:36
三宅さま、
 「金子紫」が、「宇宙」の実生かもしれないとは。貴重なお話しをありがとうございます。
 素性はハッキリしなくても良いんです。桜草を栽培している面白さは、個性的な花の美しさもありますが、そういう逸話や品種名の由来も古典園芸としての桜草の楽しさの1つだと感じています。歴史と経緯に思いを馳せると、楽しいんですよね。(^^)
Posted by さくらさくら at 2010年03月23日 23:08
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