2012年05月27日

前代未聞と木枯

鳥居恒夫氏が世話人代表を務める東京のさくらそう会では、
なんの根拠も示さず無いまま、独自の判断で『この花を○○と呼びます。』と品種を同定しています。
桜草と取り扱う園芸店でも
「鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』を参考に品種名をつけています。」
と言われるお店が多々みかけますが、
根拠も示さず独自の判断で品種を同定しているわけですから、いい迷惑です。
否、根拠を示さず民間の愛好会が身勝手な独自判断で品種同定しておきながら
図鑑と名乗っている以上は、回収&廃盤とすべき内容であり、有害図書と言えるでしょう。


さて、ウチの桜草はまだ10数鉢ほど花が残っていおり(今月中に全部摘みます)。
その中に、2012年02月18日『芽分け 新規入手.8』で紹介した
仙台さくらそう会の浦澤儀行さんからいただいた木枯があります。
雌しべの長さを見てみると短柱花でした。

2006年発行鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』では、
木枯は長柱花、前代未聞は短柱花と記されています。
だからといってこれを参考に
「あら、木枯は長柱花だから、それは前代未聞じゃないの。間違っているわね。」
と、独自の同定を行うのは禁物です。
なぜなら、桜草は古典園芸であり、代々受け継がれてきた品種たちだからです。

鳥居恒夫氏の著書1985年発行『さくらそう』を見た事も読んだこともありませんが、
昭和51年1976年発行鈴鹿冬三著『NHK趣味の園芸作業12か月 日本サクラソウ』では
木枯は短柱花、前代未聞の長柱花と紹介されています。

鈴鹿冬三氏は、義父である鈴鹿義一氏が東京の桜草愛好者から入手された苗を、受け継いだ方です。
言い換えたら鈴鹿冬三氏の苗は、江戸時代直系の、伝統の苗と言えるでしょう。
対して鳥居恒夫氏の木枯は何処から入手されたか記されていませんし
関東大震災やら大空襲を受けた東京で苗の引き継ぎは正しく上手くできたのでしょうか。

鳥居恒夫氏は大山玲瓏氏の指導を受けたそうです。
大山玲瓏氏は『農業時代』の編集長を務められた方であり
浪華さくらそう会を創立された加藤亮太郎氏が昭和34年に発行した著書『日本桜草』には
大山玲瓏氏、鈴鹿冬三氏も協力された旨がはしがきに記載されています。
鳥居恒夫氏は、そんな兄弟子とも言える鈴鹿冬三氏の
『木枯は短柱花、前代未聞は長柱花』という記載を
なんの根拠も示さず
『木枯は長柱花、前代未聞は短柱花。』『間違って栽培している者が多い。』
と言い換えてしまってよいものでしょうか。

浦澤儀一さんは昭和39年1964年に桜草栽培を始めた方であり、
浦澤さんの木枯は、仙台さくらそう会の初代会長佐々木三郎氏から譲渡された品だそうです。
その佐々木氏は昭和35年頃から桜草栽培を始め、
今鳥居氏が世話人代表を努めているさくらそう会から入手した苗らしいです。
その木枯が短柱花であったことは、大変興味深いことです。
『色分け花図鑑 桜草』には
「青柳染めは松の雪と同じなので、松の雪で統一する」
といった暴言も記載されていますが、桜草は古典園芸です。
古くから伝わっていることを後世に伝えていくのも愛栽者の努めと考えます。
『色分け花図鑑 桜草』を鵜呑みにして、名札を書き換える事だけは止めましょう。


鳥居恒夫氏が世話人代表を務める東京のさくらそう会のHPのリンク先より
類似品種 #068木枯&#111前代未聞
http://www5f.biglobe.ne.jp/~m-a-yo/ruiji0068kogarasi-111zenndaimimon.html

  


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2012年05月26日

新庄市の石川さん

新庄市山野草会の展示会を見た後に
2011年06月07日『新庄市に桜草愛栽家』に載っていた石川さんのお宅を訪ねてみました。



聞けば10年程前に『日本らしい植物を育ててみたい』と思い立ち、タキイ種苗より50品種を購入したそうです。
それから枯らしてしまったりして、現在何品種残っているか分らないそうで、拝見すると同じ品種が幾鉢もありました。
花は撮影するほど咲き乱れていませんでしたので、今回は写真は無し。
雪月花、花車、銀世界、七賢人が多く在りました。

山野草会など、園芸愛好会に属さず個人で楽しまれているとのことなので
新庄市山野草会の桜草は、他の方が持ち込まれたようです。

品種管理は故斎藤教頭先生と同じで、鉢に番号札を差し、
ノートに番号と品種名を記して行っているそうです。
「私は品種名を書いた名札だけを差して栽培しています。」
と話すと
「やはり黒い名札でですか?」と訊ねられたりしたので、
鈴鹿冬三著『日本サクラソウ』を参考に栽培なされていると感じました。
書籍の影響は大いと感じると同時に
鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』に因る誤った認識が与える悪影響を改めて危惧してしまいました。





  


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2012年05月26日

新庄市山野草展

2012年05月19日『新庄市山野草展 本日開催』で紹介した
新庄市山野草会の展示会へ行ってきました。

桜草の苗は小さな(2号?)ポットに2-3芽詰め込まれ、300円。
苗は低温にやられ黄色く、葉数は少なく小さく貧弱。おまけに品種不明品では買う気がおきません。
以前、駒止に岩戸神楽と間違った名札を差しておられたので指摘したところ
「品種なんてどうでもいいんだ。ウチらは花を愛でるのだから。」と言われた事がありましたけど
山野草会の会員が、山野草の愛栽者が集う場所で、品種名を蔑ろにすることは論外でしょう。
展示会に合わせて育成するのは大変でしょうけど、もう少し愛情をかけていただけましたら幸いです。

頒布販売コーナーは大変な混みようなので撮影できませんでしたが、展示会場は空いてました。




上記は私では同定できませんでした。
下記は、新庄市山野草会で多く栽培されている風車と矢口さん宅救助苗に多く含まれていた前代未聞。



  


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2012年05月17日

八雲と天晴 抜き取り

2012年05月12日『八雲と天晴 混入』で紹介しましたように
八雲と天晴の中にそれぞれ混入してましたので、抜き取りました。

八雲の中に天晴と、もう一つ品種不明が混入してました。
八雲の中から抜き取った天晴は、
『103.金綾台、104.佰美姿、105.泥中の玉、106.夕日紅』の#103金綾台を花車として抜き取った空き地へ植えました。
八雲の中から抜き取った品種不明は、
『95.鞍馬 96.雲井の鶴 97.妙智力 98.唐舟』の#98唐舟を花車として抜き取った空き地へ植えました。
天晴の中に混入しいた八雲1芽は、上記2芽を抜き取った八雲の空き地へ植え戻しました。  
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2012年05月17日

品種紹介 石山寺

今年の開花期は、同定作業に追われて花を楽しむ暇もなく、終わりを迎えました。残念です。
見頃を迎えた『石山寺』が、綺麗に撮影できたのでを紹介します。

  

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2012年05月17日

宮城県の野生種

GW期間中に仙台市野草園で開催された さくらそう展に出品されていた宮城県の野生品種2品。
いずれも仙台さくらそう会の浦澤さんからの苗です。
浦澤さんが一番最初に触れた桜草が亘理郡山元町の深山で、この花がきっかけとなり桜草に魅了されたそうです。


浦澤さんが釜房ダム建設現場から救助してきた苗で、釜房として譲渡したのですが、
譲渡先の方が「釜房地区は川崎村に在るから」との理由で、勝手に川崎赤と改名して栽培してしまっている品。


仙台市野草園では、浦澤さんたち仙台さくらそう会から寄られた宮城県内の野生種を、名札に寄贈者の名前を記して栽培していました。

  


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2012年05月16日

獅子奮迅は百千鳥

2011年11月16日『芽分け 高鴨神社』で紹介した
『紫雲の望 獅子頭 獅子奮迅』の獅子奮迅は、フリルになっていないので百千鳥ですね。
  

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2012年05月16日

#42と#4は別品種

#42初桜と#4富士越は品種間違い。
#42初桜と#4富士越は同品かと思ったが、良く観ると
雄しべの長さが違う。
#42初桜は花びらの縁が白い。
一つの鉢にまとめなくて良かった。こういう咲き方の花の同定は私には難し過ぎる。

  

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2012年05月16日

#37勇獅子は品種不明

花茎が低いまま開花した#37勇獅子。特徴的な花なのに、品種名が判りません。face07


下記管理一覧表から「コレじゃないの。」と思われる品種ありましたら、また教えてください。

  

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2012年05月16日

#8 十二単重

#8十二単重の4芽の内の2芽は#5枝珊瑚と同品でしたが、
残りの2芽は、否定材料も無いし、十二単重で正しいと思う。


『綾波、美女の舞、表白裏青紫』の表白裏青紫は#15秋の装だったので移植、その空いた場所へ#8十二単重2芽を植える。  

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2012年05月16日

#5と#31、#35、#72、#8は同品

#5枝珊瑚の4芽の内の1芽と#31三顧案、#35凱歌、#72大神楽、#8十二単重の4芽の内の2芽は同品。
波打ち広弁掴み咲きとか星咲きとか、私には同定が困難ですが、否定材料が無いので枝珊瑚ではないかと思います。



#72大神楽を除く、
#5枝珊瑚の4芽の内の1芽と#31三顧案、#35凱歌、#8十二単重の4芽の内の2芽を、一緒に植えました。
  

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2012年05月16日

#15と#5、#25は同品

#5枝珊瑚の4芽の内の3芽と#25夕栄は、#15秋の装と同品。
一昨年故斎藤教頭先生宅より救助してきた品種不明の苗『表白裏青』も秋の装。一つにまとめました。



  

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2012年05月15日

#38と#41は同品

#38天女と#41朱の玉垣は同品種ですが、私には同定できず。


#38天女と#41朱の玉垣を一つにまとめ、#71鏡帛と#2紅葉橋と一緒に中型プランターに植えました。


  

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2012年05月15日

#71と#2、紫雲の望は同品

#71鏡帛と#2紅葉橋、紫雲の望は同品で、絞り竜田の紅無地でした。
(絞りの無地は品種ではないので、破棄すべきなんでしょうね。(^^; )


#71鏡帛と#2紅葉橋を一つにまとめ、#38天女と#41朱の玉垣と一緒に中型プランターに植えました。


  

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2012年05月15日

#3京鹿の子に寿

#3京鹿の子に寿が混入していました。(#3京鹿の子4芽中、2芽寿、1芽京鹿の子、1芽花茎上げず)


混入していた寿2芽は、2012年05月14日『#2赤トンボは寿』で紹介した#2赤トンボの寿と合わせて、1鉢にまとめました。


#3京鹿の子1芽と花茎上げなかった1芽は、『70.玉の冠 71.鏡帛』の小型プラへ移しました。
#71.鏡帛は、#2紅葉橋と紫雲の望と同品で、絞り竜田の紅無地と思われるので、移しました。

  

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2012年05月15日

故斎藤教頭先生の奥さんの弟さん

故斎藤教頭先生の奥さんの弟さんが、私のために桜草の苗を持って来てくださいました。
故斎藤教頭先生から生前に分けてもらい、栽培し続けていた苗だそうです。有り難いことです。
その中に花車と、品種不明の#34京霞と同じ花がありました。



  

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2012年05月14日

#32赤トンボは寿

#32赤トンボの正体は、寿のようです。
↓寿と寿絞り

  

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2012年05月14日

#109は朝霧で○

#109朝霧は朝霧。○でした。

  

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2012年05月14日

花車と銀世界

#1花車と同品として
#22花大将、#23銀覆輪、#29寿、#98唐舟、#103金綾台の5鉢を中型プランター1ツにまとめた。
#34京霞も似て見えたが、花びらと花央が違う。



#11天の羽衣、#12竹取姫、#14駒止は、同じ銀世界だったので、小型プランター1ツにまとめた。

  

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2012年05月13日

仙台さくらそう展

仙台さくらそう展に展示され、上手く撮影できた花4品種を紹介します。
サムネイルなので画像をクリックしてもらうと、大きく見ていただけます。

↓白篝(シロカガリ):宮本米吉作出



↓剣菱(ケンビシ):仙台さくらそう会の先代の会長のTさんの実生品種



↓花筏(ハナイカダ):中村宏作出



↓武蔵嵐山(ムサシランザン):松木俊一作出



  

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