2012年02月27日

故斎藤教頭先生の苗

40年程前に私へ桜草をくださった故斎藤教頭先生は、
何所からか判らないけど最初に庄内白を入手。
しばらくして鶴岡市の女教師から
「桜草に白があるんですか。私は赤を持ってますから、交換してください。」
という話しにあり、庄内赤を入手。
それから桜草に興味を持ち始め
奈良県天理市のサカタのタネ社から毎年通販で園芸品種を収集し始めた。
当時は品種を選べず、お店が準備した10品種1組で販売されており、
冬になると毎年新しいカタログが送られてきて、その都度桜草を購入。
届いた中に持ってない品種があると大歓びしながら、何年もかけて最後には117品種を収集。
それらは鉢に番号札をさして栽培。ノートに番号札と品種名を記して管理していた。
と奥さんが話してくれました。

故斎藤教頭先生は8年前に亡くなりましたが、
死期を悟った故斎藤教頭先生は、桜草を玄関脇に全部破棄してしまいます。

その数年後に私が先生宅を訪問した時、既に桜草は消滅寸前でしたが
2年掛かって全ての桜草を譲ってもらい、持ち帰りました。
その苗たちは、ようやく去年から開花し始め、今年は全部の芽が開花することでしょう。
しかし、開花しても品種の同定は不可能に近く、
去年開花したのは処分しましたし、今年開花しても破棄するしかありません。
番号札と品種名を記したノートがあれば、同定は可能になるでしょうけどノートは見つからず。
奥さんは「見つけたら連絡してあげるわ。」と言ってくださっていたのですが
一昨年の大晦日に太ももを骨折して、しゃがむことができなくなり
昨年3月に「もう探せないの。」と言われてしまいました。

『伝承者が居ないと、桜草はこうして滅びていくのか。』と諦めるしかありませんでした。




ところが、故斎藤教頭先生は生前に、
愛知県尾張旭市の義理の妹さん宅へ桜草の余剰苗を譲渡していたのです。

一昨年の大晦日に太ももを骨折した奥さんは、年明けに日本海病院で手術を行い
リハビリは、息子さんが居る温かい名古屋で行うことにしました。
歩けるようになってから尾張旭市の義理の妹さん宅へ行くと「桜草がいっぱい咲いていた。」そうです。
3月中旬に酒田へ戻り独り暮らしを再開しますが、雪囲いの取り外しや庭仕事は私が手伝いました。
その時期に尾張旭市の義理の妹さんが心配して電話を掛けてきてくれ
「力仕事は桜草を育てている人が手伝ってくれている。」と私のことを話したらしいのです。
すると尾張旭市の義理の妹さんが
「そんなに桜草が好きなら、来年の2月、植え替えした時に送ってあげましょうか。」
と言ってくれたんだそうです。

これは願ってもないこと!

そして約束の2月となり、その苗が先日届きました。しかも50品種も!!
開封すると少し色褪せたノートが同封されており、
故斎藤教頭先生が送ったであろう117品種銘が書かれた品種表です!!!!


118品種ですが、93番と110番は同じ大明錦なので、117品種。
43番月山と67番鳥海は、同じ庄内(赤)と思われますから、115品種。
羽黒町の農家の方が桜草(赤)を『月山』として販売していましたが、昔からの呼称だったのかしら。
67番鳥海は、『月山』が先に存在したので、遊佐町産をさしていると思われます。

閑話休題
箱を開けてビックリ!
水苔でビッシリ覆われているじゃありませんか。

慎重に水苔を取り除き、苗を取り出します。
名札に苗が4芽輪ゴムで縛られています。
この梱包方法は、仙台さくらそう会の浦澤さんから『昔の輸送方法だと』聞いたことがあります。
「義兄さんから送られて来たときと同じ方法で送るから大丈夫。」とも言われてましたし
未だにこの方法で送って来たということは、他の方と取引されたことがないのだと推察され
この50品種は故斎藤教頭先生が送った苗だけなんだと感じました。face05



取り出した苗はみな芽が大きく根が長い立派な根茎ばかりです。
しかも品種表通りに1番から50番までの50品種。これって、どういうこと!? face08

こんな立派な余剰苗を送れるということは、プランター栽培?
品種表通りに1番から50番までの50品種を送ってくれたということは
51番から118番まで全部を所有されているということかしら?
いずれにせよ素晴らしい栽培技術であり、それなりのスペースで栽培されておられるのでしょう。


訊ねたいことが多々あり、お礼の手紙を書くのに手間取りそうなので、先にお礼の品をお送りしました。
するとお礼の電話が掛かってきました。
お声からして、義理の妹ということからも、80歳前後。独り暮らしだそうです。
15年程前から毎年20品種ずつ送ってもらい、5年送ってもらった。
素鉢(素焼きの鉢=駄温鉢かと)の4号鉢に4芽植えして栽培しているそうです。
繰り返し確認しましたが、素鉢の4号鉢に4芽植えして、送ったような余剰苗が取れるそうです。
信じられません。上手に育てるものですね。
中には抜けたモノもあるようですが、品種表通りに118品種を栽培しているとのこと。

独り暮らしで植え替えも大変になってきたので、栽培を止めようかとよく考えるようになった。
そんな時に貴方のことを知り、栽培していて良かった。
いつもなら植え替えは終えているのだが、
「今年は寒いので、未だ植え替えていない鉢もあるのですが、もしよろしければと・・・。」
とおっしゃったので、「それならば是非また送ってください。」と甘えることにした。

故斎藤教頭先生の桜草は、尾張でも消滅しようとしていた。
私は故斎藤教頭先生の桜草を伝承していきたいと思う。  


Posted by さくら at 06:00Comments(0)植え替え11年秋

2012年02月26日

今更ですが. '12-2

前回アップした『銀の竜』を調べるべく
鳥居恒夫氏が出典元と主張されている
鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』191ページ掲載
明治40(1907)年の『櫻草銘鑑』を視てましたら、『緋司』をみつけました。

『緋の司』『緋の衣』『緋の袴』といったように
私は品種名の繋がりからも品種収集してみたいタイプなので、ふと気になりました。
なぜなら、下記のようなコメントを読んだことがあったからです。
Blog『いい、おしめりですネ・・・・・・・・』
「大和神風」と「神風」という名前の「さくらそう」 2010年05月18日のコメントより抜粋
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小さな世界の話 (「緋の衣」と「舞子の旭」)
2010-05-18 23:01:05
さくらそう会の認定品種で「緋の衣」と呼ばれて普及していたのが、突然「舞子の旭」として「さくらそう会」で認定されています。
本物の「緋の衣」が小石川植物園に伝わっていて、普及はしていないので「緋の衣」ではありませんといわれて、趣味家は・・・・・。
所詮、趣味の団体の話です。小さな世界の話です。趣味の構成員でない人は、関係ないかな。
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鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』32ページ掲載
・『緋の司』:作出年代明治後期 標準花径43mm
・『緋の衣』:作出年代明治後期 標準花径43mm 小石川植物園に伝わっていたもので、普及はしていない。 
鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』33ページ掲載
・『緋の袴』:作出年代江戸末期 標準花径24mm
鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』33ページ掲載
・『舞子の旭』:作出年代江戸末期か 標準花径39mm


Blog『いい、おしめりですネ・・・・・・・・』さんへ書き込まれたコメントを読まずしても
『小石川植物園に伝わっていたもので、普及はしていない。』という鳥居氏の不自然な記述に
疑念を抱いてましたしね。
鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』は、一つ一つは納得させらえる説明なのですが
全文を捉えてみると、納得ずくしな処が妙な違和感として、
喉奥に刺さった小骨のように残る内容なんですよ。

作出年代江戸末期の『舞子の旭』が、実は『緋の衣』だったとするなら
現代まで受け継がれていた『舞子の旭』の品種名は何? 
鳥居恒夫氏が「小石川植物園に伝わっていたから、これが本当の『緋の衣』です。」とする
小石川植物園に伝わっていた証拠はあるの?
現代の関東地方では鳥居恒夫氏が北日本を牛耳る桜草の親分みたいだけど、
鳥居恒夫氏には偉大な先達たちが何名もおり、彼らは関西とも活発に交流し、
『梅が枝』に『本梅が枝』の2品種存在することまで発見したというのに、
そんな関東と関西の偉大な先達たちが
当時の桜草界の基地の一つともいえる小石川植物園に於いて
鳥居氏が本当の『緋の衣』だと主張する花に気づかず、
『舞子の旭』と『緋の衣』をも見誤るものでしょうか。

最近ようやく少しだけ桜草の品種を覚えてきました私が『春の雪』や『銀の竜』を
Blog『草花好きのひとりごと』のくまさんは『越路の雪』を指摘してしまうような鳥居恒夫氏が、
関東と関西の偉大な先達たちを差し置いて、歴史的な発見ができたとは、到底思えません。
鳥居恒夫氏は、『前代未聞』を短花柱、『木枯』を長花柱。
『木枯』が紅無地になった花が『花大将』(『前代未聞』の紅無地に関しては記述がない。)
と著書に紹介していますが
先達たちの書籍の記載はその逆になっています。
鳥居恒夫氏にとって先達たちは死人に口無しなので、何とでも表記できます。

園芸店の中には、鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』を参考にしている。と広言するお店もあり
埼玉県花植木センターは、開設から20年務めたという伊丹清氏の業務を引き継ぎ、精査もしない。
公務実績は全てが過ちではなく、過ちではないものは、精査の必要はない。
所有する品種の確かさの証拠は、鳥居恒夫が世話人代表で伊丹清氏も会員の、さくらそう会が同定済み。
持ちつ持たれつのなれ合いの中での、典型的な公務員のお役所仕事の構図です。

閑話休題
加藤亮太郎著『日本サクラソウ』加島書店(昭和34年5月発行)
浪華さくらそう会『日本桜草総銘鑑 最新版』より、下記掲載あり。
『緋の衣』:紅小輪 凡例元 実際園芸 昭和10年5月号 植松幹=沼津市帯笑園
『緋の司』:紅大輪 凡例元 桜草名寄控 萬延1年(1860年)
『緋の袴』:本紅鑼咲き少輪(小輪の誤字?)凡例元 桜草花品全 文化9(1812)年
『舞子の旭』:例元 桜草名寄控 萬延1年(1860年)


誠文堂新光社発行「世界のプリムラ」86ページ掲載
桜草番付表『櫻草銘鑑』 文久元辛酉仲春(1861年)、尾陽金城東
細かい字ですが読み取れます。

櫻草見立相撲 一番下段左から7ツ目に『緋衣』記載あり。
鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』33ページ掲載『緋の衣』には明治後期と書かれていますが
文久元辛酉仲春(1861年)には存在していたのです。
明治後期を『櫻草銘鑑』明治40(1907)年だとすると、46年以上前から存在していたのです。

鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』は、我々の無知を利用して、かくもいい加減なのです。
でも鳥居氏はウソはついてないのです。ちゃんと逃げ口をつくってますから。
よく読んでください。明治後期‘か’ と疑問符を打ち断定してないでしょ。実にお上手な策士なんですよ。
鳥居恒夫著『色分け花図鑑桜草』は、そんな図鑑です。

Blog「草花好きのひとりごと」のくまさんは下記のように書きました。
書籍やインターネットからの情報、同好の先輩方からの情報、いずれにしても、一つだけではなく複数の情報源によるものを照合した上で、判断することが重要だと改めて思い知らされました。
その通りだと思います。


『櫻草銘鑑』 文久元辛酉仲春(1861年)、尾陽金城東は
『山野草とミニ盆栽 vol.84 2011早春号』にも掲載されました。



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ちなみに、鳥居氏が無視している参考資料の一つの著者である加藤亮太郎氏のプロフィール

明治38(1905)年三重県桑名に生れ、幼少の頃より東京に育つ。
昭和3年、東京農大、学部卒業宮内省、新宿御苑に見習生として出仕、花卉園芸全般の技術指導を受く。
同8年、種苗商、坂田紹介(サカタのタネ)に入社、茅ヶ崎農場の一般管理を担当。
同9年、大阪市に奉職、土木部公園課技手として、天王寺応援温室、花壇の管理業務を行い、一般公園事業の管理運営を担当。
この間、浪華さくらそう会を創立、植物協会、山草会、フラワーソイェティー、花卉園芸協会バラ会、菊花園芸協会、朝顔会、その他の園芸関係団体と役席に在り、学校、会社等の園芸造園指導を続け今日に至る。

「日本桜草」は昭和34(1959)年発行なので加藤亮太郎54歳の著書。
浪華さくらそう会は日本桜草の愛好者の団体とし昭和11年(1936)創立。加藤亮太郎31歳かと。
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Posted by さくら at 19:00Comments(0)日本桜草12

2012年02月26日

今更ですが. '12-1

最近ようやく少しだけ桜草の品種を覚えてきました。
記述が欺瞞・偽装に溢れている桜草の美しい写真集
鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』をパラパラと観てましたら、
聞き慣れない品種名の存在に気づきました。

鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』107ページ掲載『銀の竜』です。
さくらそう会認定品種番号290 銀の竜

『銀の竜』ってなんですか?


さくらそう会の説明
品種の整理統一:混乱していた品種を整理、品種名を統一し「さくらそう会認定品種」を選定。

鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』107ページ掲載『銀の竜』
花形:広桜弁 つかみ咲き 垂れ咲き。
花径:50mm
作出年代:明治中期
花弁の裏側は淡桃色ぼかし、表は白色。
明治32(1899)年以降の『櫻草銘鑑』に名前があり、
優秀花に思えるのに、まったく広まらなかったのはどうしてであろう。

明治40(1907)年の『櫻草銘鑑』が『色分け花図鑑 桜草』191ページに掲載されているのですが
その中に『銀の竜』は掲載されておりません。
下から二段目左から12番目に
『銀龍:表白裏鴾色狂咲大リン』
と書かれた品種ならあります。

浪華さくらそう会の会長もなさっていた加藤亮太郎著『日本桜草』加島書店 昭和35年5月発行
「日本桜草一覧」221ページに
『銀の竜:表白裏鴾色狂咲大リン』
と載っています。
ですが、出典元が記載されいないことから『櫻草銘鑑』に「銀の竜」は未掲載のようです。

鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』107ページ掲載『銀の竜』
花形:広桜弁 つかみ咲き 垂れ咲き。
『銀龍:表白裏鴾色狂咲大リン』
『銀の竜:表白裏鴾色狂咲大リン』
花形が違いますよね。

鳥居恒夫氏が世話人代表を努めますさくらそう会の説明を読みますと、
混乱していた品種を整理、品種名を統一し「さくらそう会認定品種」を選定された分けですから、
品種名を読み間違えたり、よもや勝手に改名したり、
『まったく広まらなかったのはどうしてであろう。』と、わざとらしく語り
誰も知らない品種であることを利用した、『春の雪』のような、品種名の乗っ取りはおこなっていないですよね。
  


Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草12

2012年02月26日

今更ですが. '12-0

Blog『草花好きのひとりごと』のくまさんは、
周囲に気配りを忘れない常識ある社会人で、私とは大違い。
間違いを指摘するにも、気を使って言葉を選ばれるから素晴らしい。
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タイトル『思い込み』2012-02-21より抜粋。
さくらそう(日本桜草)の園芸品種に、'越路の雪'というものがあります。
ところがこの品種、私の目がおかしいのでなければ、
書籍「色分け花図鑑 桜草(学習研究社2006年2月初版)」には、
花筒が薄く紅紫色に色付いていると見える写真が掲載されており、
どうやら間違った写真が掲載されてしまっているように思われます。
しかも、花弁の裏側や蕾にも淡い桃色に見える部分があります。
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品種間違いを指摘しつつも、
複数の情報源によるものを照合した上で、判断することが重要だと改めて思い知らされました。
と締めくくっています。大人ですねえ〜。
私なら単純に鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』の記述は欺瞞・偽装に溢れている。と書くのに。

庄内地方の河川と湖沼で徹底的に魚族の生息調査を行い、まとめた本があります。
 岡部夏雄著『庄内淡水魚探訪記』無明舎出版
全くの素人がまとめた本ですが、その内容は日本魚類学会ので高く評されたもの一冊です。
図鑑とは銘打っていませんが、庄内地方における内水面の魚類図鑑そのものです。
それに比べこの本は、学研社発行の卑しくも『図鑑』でありながらこの体たらく。これは『図鑑』への冒涜ですよ! kao15  


Posted by さくら at 06:00Comments(0)日本桜草12

2012年02月25日

横浜市小机産の白

2010年4月に開催された、さいたま桜草まつり盆栽の展示の画像の中に
横浜市小机産の桜草の白を見つけました。

横浜市小机とは日産スタジアムが在る場所で、
日産スタジアムでは「サクラソウ自生地復活プロジェクト」をつくり、
鶴見川流域の野生種、小机、中山の名のついた桜草を
横浜さくらそう会が協力しながら栽培しています。

私はそれを知ってましたから、横浜市小机産の桜草に白は無いはずなんです。
そこで、横浜さくらそう会の三宅さんに尋ねてみました。
結論から言いますと「横浜には白の記録はいっさいありません。」とのことでした。

「サクラソウ自生地復活プロジェクト」では、小机、中山産以外にも
園芸種などが多く植えられており、筑波大に遺伝子分析を依頼。
結果、白花は小机の赤とは別物で、血統の濃い埼玉上尾産と解ったそうです。
埼玉さくらそう会には昔横浜さくらそう会のSさんが小机の苗を送っており
上尾の白と取り違えた可能性があります。とのことでした。



野生品種の誤りは、『山形』『由利浜』のように、新規に発生しているようです。
『山形白』『由利浜白』まで発生していなかったのは幸いですが、『仙台』は存在しない状況で
例の『仙台白』の信憑性は経緯を公表してもらわない限り判りませんけど、どうなんでしょうかね。  


Posted by さくら at 19:00Comments(0)日本桜草について

2012年02月25日

桜草の園芸書籍

桜草に関する園芸書籍は少なくて、下記の僅か3冊だけ。しかも2冊は2年前あたりで絶版。face07

・鈴鹿冬三著『日本サクラソウ』NHK趣味の園芸:作業12か月.No9 NHK出版 昭和51年5月発行 854円。
・鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』学研 2006年2月発行 1500円。
・『世界のプリムラ』誠文堂新光社 2007年3月発行 4200円。



鈴鹿冬三著『日本サクラソウ』と鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』は惜しむかな絶版。
鈴鹿冬三著の方は重版を重ねNHK出版ということもあり、探せば書店にある可能性あり。
栽培に関する記述に溢れており、繰り返し読んでますが飽きません。お勧めできる一冊です。

『世界のプリムラ』は資料的要素の本なので、栽培方法など載っておらず、強いてお勧めしません。
絶版か否か不明ですが、高価なこともあり、未だ書店で見かけます。

鳥居恒夫著の記述は欺瞞・偽装に溢れており閉口しますが、
カラー写真満載で、視ていると心が和みます。美しい桜草の写真集として楽しめる本です。
鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』は多くの書店で見かけた本でしたが、
出版社が色分け花図鑑シリーズごと絶版にしてしまいました。
古典園芸である桜草の歴史を歪め現代の桜草界に混迷させている悪書なので絶版を望んでいましたが
美しい桜草の写真集が無くなるのは残念です。が、実は未だ入手可能です。
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Blog『いい、おしめりですネ・・・・・・・・』2011年09月08日
色分け花図鑑「桜草」(改訂版)」 
花図鑑 学研が手放したので、絶版は避けられないようですよ。
さくらそう会が総力を挙げ、全部買い取ることを条件に最終版を
作ったそうで、本はすべて会が保管しているそうです。face02
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さくらそう会 総会、交歓会 2012年2月17日
8.書籍改定版制作
学研版 色分け花図鑑「桜草」の絶版を受け、この図譜を続けて普及させるために、
印刷分を会が全部買い取る契約で改定版2000部を製作した。
会員には1冊ずつを送付し、新たな入会者には基本図書として1冊を進呈し、
一般の希望者にも会が直接販売することにした。

限定2000部。
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Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草の育て方

2012年02月25日

桜草の育て方.6

【 気候風土の違い 】
日本海側と太平洋側では、気候風土が違います。一番の違いは湿度でしょう。
私は芽吹いてから潅水し始め、9月に入り秋を感じたら潅水しません。自然に任せています。
しかし太平洋側(特に関東地方)は冬場の乾燥が激しいので、冬場も潅水が欠かせないとか。
夏の猛暑は全国同じでしょうけど、熱帯夜は太平洋側が断然多いです。
熱帯夜が続けば、鉢の中の温度も25度以上あることになり、桜草にダメージを与えかねません。
鉢を風通しが良い日陰に移すなり、何らの対策を行うべきでしょう。
それらを踏まえて、鉢を選び、用土を作り、栽培してください。


【 用土 】
赤玉土(小粒)+バーク or 腐葉土=5:5か6:4。
バーク or 腐葉土が多めなのは、夏場に大量に潅水して空気を入れ替え、温度を下げたいので
排水性を高めていることを意識していることと、ドバミミスを入れるから、その餌の意味合いも強い。


【 腐葉と腐葉土 】
園芸店で市販されている完熟腐葉土は、文字通り落葉が土化した腐葉土。
桜草栽培に用いる理由は通気性と通水性を高めるためなので、
土化してない腐葉土=腐葉でありことが理想。
菊栽培などに使われる、葉脈が残って、ざっくり大きいのが良い。
このBlogで紹介した鳥海山で採取され作れた鳥海腐葉土は、「菊用」がお勧め。

福島原発事故の影響で、腐葉土の入手が難しくなり
北海道産が出回るようになったそうですが、寒さに耐えるためか葉が厚く樹脂が多く
今のところ「なんだかな・・・今は良く分らないけど、なんかちがうんだよなあ。」
とのことでした。


【 雑草と共生 】
桜草は、他の植物より早く春一番に開花して、周りの植物が葉を茂らせる前に葉を広げます。
周りの植物が葉を茂らせると、今度は休眠に入り、地中で黙々と根茎に養分を蓄えます。
桜草は周囲の植物と競いあうことなく共生しているのです。
桜草を植えた鉢に雑草が生えても、これといって桜草に害を与えることはありません。
むしろ、雑草が生えることで、葉っぱが日陰を作りますから、鉢の温度上昇を抑え
桜草と雑草の根が絡み合うことで、適度な湿度を得る事にもなります。
雑草の葉の具合をみながら潅水を行うこともできるので、ムキになって雑草を取り除く必要はありません。
(ただ、そんなことを理解してくれる人など周りにいませんので、周囲の目があり、取り除いています。)


【 鉢の中にドバミミズ 】
私は鉢の中にドバミミズを投入して飼っています。4-5号鉢に1匹。5-6号鉢に1-2匹。
鉢から逃げる事無く住み続けてくれ、用土を耕し、通気性と通水性を保ってくれています。
ドバミミズはお勧めです。

腐葉土は肥料ではありません。通水性や通気性を保持させるために用土に混ぜます。
腐葉土を食べたドバミミズの糞は、肥料の役目を担うそうです。
(気のせいかもしれませんがドバミミズが居る鉢には、ナメクジやコガネムシが入り込んで来ない気がします。)


【 鉢慣れ 】
桜草は環境の変化に敏感で、鉢慣れするまで時間が掛かり
数年間も開花しなかったり、繁殖しないケースがあります。
私の品種不明品(仮称三船紫)は2-3年でしたが、
Blog『私の園芸物語 そして 私が生きている証』2011年05月09日の記事には
「大朝日は開花に何年もかかり8年目でやっと花を見る事が出来ました。
 苗は全然増えず、8年経ってやっと4芽です。」
と書かれており、驚きました。桜草栽培には、時には長い目で愛でる必要もあるようです。


【 潅水 】
潅水は朝に1度だけたっぷり潅水しています。
鉢底から流れ出るまで潅水していますが
夏場は鉢の中の空気を入れ替え、用土の温度を下げるイメージで、大量に潅水しています。

プランターなど用土量が多いと乾燥しつらいので、夏場に大量に潅水すると蒸れる要因になる。
という話しも聞きましたが、プランターの側面や底に穴を開けるとか、排水性高い用土にするとか
個々の栽培環境に合わせて、鉢や用土を選び、潅水や肥料を行ってください。


【 肥料 】
桜草栽培に元肥の効果は、あまり感じません。
効果を感じないのは私の与える量が少ないのかとも考え、
2011年から私の中では今までになく大量に与えています。
普段の肥料は液肥です。
ハイポネックスをキャップ1杯を40リットルのバケツに注ぎ、毎日潅水に使っています。
肥料を多く与え過ぎると、新芽は小さく数多く増え、翌年に開花する芽がつかなくなるそうですが、
今のところ、そのような症状はおきていません。
液肥がメインですと、雨が降ると与えても効果が望めないので、今年はIB肥料を置く予定。



【 株分け・植え替え 】
桜草は大変よく増えますから、株分け・植え替えは毎年必ず行います。
1芽毎に分けると、真っすぐな芽が育ち、次年度も作業しやすくなります。
芽分けしないで株のまま植えると、根茎と根が絡み合い、曲がった芽になり、色々面倒になります。
できるだけ1芽毎に分けましょう。

桜草の美を探求され、展示会にも出品されるレベルの愛栽家は、開花芽以外は破棄します。
一般の愛栽家は全部大切に育てようとします。
小さい芽まで取り分けしてまうと、根茎に残る根数が少なくなるときがあるので
その時には無理して取り分けしないで、そのまま植えましょう。開花時期に取り分けるのも一考です。

株分け・植え替えの時期は、休眠に入る11-2月。
根茎の活動が止まり休眠に入るので11-2月の間に行えば良いのですが
芽吹く直前に株分け・植え替えを行うと、古い根茎が腐るので芽分けが楽にできますから
降雪に見舞われない太平洋側では2月が適期。

雪国では、雪解けと同時に芽吹いてしまうので、11-12月に行うしかありません。
雪解けと同時に株分け・植え替えを行うと、地中で細く芽吹いている苗が有るときがあり
そうなると芽を痛め、成育に悪影響を与えてしまうので、3月に入ったら株分け・植え替えをしないこと。

園芸店やさくらそう展から、開花時期に購入してくる事が多いと思います。
桜草は根茎に蓄えた養分で発芽して葉を広げ、開花し、花が終わる頃に新しい白い根が生え始めます。
この新しい白い根が、新しい根茎に養分を蓄えますので、
新しい白い根が生える前なら株分け・植え替えOKです。
なので、寒い時期に1芽毎に分けずに置いて於き、開花時期に芽分けしても問題ありません。

1芽毎に取り分けなくても、株の塊のまま植え付けても大丈夫です。
桜草は1芽が2-3芽以上へ増えます。
それは、株の塊が2-3倍へ広がることを意味しますから、
株の塊のままは、植え付ける鉢の半分以下の大きさにしてください。


【 庄内地方の桜草愛栽家たち 】
庄内地方に自生していた桜草を40-30年以上栽培し続けている方々は、
ほとんどがプランター栽培ですが、植え替えはしていないことが多いです。
「もう何年も植え替えなんてしてないわ。根っこばかりで、土が残っているのかしら。(笑)」
という有様ですが、どうして消滅せず栽培可能かと言いますと、
答えは簡単でして、ドンドン適当に間引くからでした。
葉が重なり合い密集してそうな場所を、話しをしながらブチブチと抜くのでした。
それで育っているのですから、そういう栽培方法もあるんだと感じています。

【 地植えでは育たない 】
桜草を野草だと思い、庭に地植えする人を結構見かけますけど、地植えでは育ちません。
根茎に養分がある2-3年は芽吹いても、消滅するのが目に見えています。
人の都合で適当に植えて育つくらい丈夫なら、自生地が消滅したりしません。

絶対に庭では育たないとは言いません。庭に地植えをされるなら
鉢やプランターで栽培しつつ、増殖した余剰分を庭に移植するようにして、様子を観てください。
庭で育っても増えませんから、鉢やプランター栽培は続けた方が無難です。

故安野悌治先生は、柿の木の下へ植えていましたが、
桜草は農薬に弱いそうで、柿の木へ農薬散布を行わず、除草も行っていませんでした。
ミョウガ畑の中にも植えておられ、こちらは大変増えていました。
考えてみるとミョウガは葦と同じなんですよね。
桜草の開花時期からミョウガは芽を増やし根を伸ばし、
桜草の根茎を押し広げて分断。芽分けをしてくれます。
そのままミョウガは葉を広げ桜草を覆い、桜草は休眠。
ミョウガの葉が地表を覆うので、増し土は不用。
そのまま冬となり春を迎えますが、地表を覆っていたミョウガの葉は丈夫ですが腐り易いので
桜草の芽は容易に地表に顔を出せます。
ミョウガの葉は腐葉土となりミミズも居ますから、土はふかふか。
大滝婆ちゃんはヨコハマスズランの中で育てていました。

庭に桜草を植えるなら、共生させた方が良く育つようです。



【 連作と鉄分 】
桜草の美を探求され、展示会にも出品されるレベルの愛栽家は、毎年新しい土を使いますが
私は使い回しをしています。微塵を取り除き、減った分だけ用土を加えて使っています。
用土を使い回して使っているからでしょう、芽吹いて間もなく葉の色が黄色くなります。
花が終わる頃から液肥を与えると葉の色は回復してきますから、肥料不足のようでもあり
そんなこともありIB肥料を置こうかと。

ネットで調べてみますと、
土に含まれている中量要素や微量要素がなくなり
土液体肥料だけを使っていると中量要素や微量要素の欠乏症となるようなのです。
要は鉄分やマグネシウム不足が原因のようです。
用土を使い回す者には、活力剤の散布も要り用なのかもしれません。
(病気やウイルスなどに感染する危険性がありますから、新しい土を使うのがベストです。)

野菜の肥料にはマグネシウムが多く含まれているので、追肥で使おうか思案中。


桜草の育て方シリーズ、書くの飽きてきた。(^^;
  

Posted by さくら at 06:00Comments(0)日本桜草の育て方

2012年02月24日

桜草の育て方.5

【 桜草の栽培イメージ.2 :鹿沼土は使っちゃ駄目! 】
園芸界では桜草は山野草のジャンルですが、
イメージとしては菊などと同じ野草のジャンルだと捉えています。

桜草の栽培に使う用土に、鹿沼土を使う人をみかけますが、なぜ使うのでしょうか。
きっと深い意味はなく、桜草を山野草と捉えてしまっているから、
『鹿沼土=山野草の用土を使っても問題はない』と考えて使っているだけだと推察します。
園芸店で販売されている桜草のポットにも鹿沼土が使われていることも、要因の一つだと考えます。
(栽培業者は、大量購入で安価に仕入れ、他の植物にも使っているから使っているだけでしょ。)

でも、ちょっと待って。

鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』10ページ『サクラソウ(桜草)という草花』には
「北海道や東北では低地に、関東から中部と山陰、九州では高原の湿性地に生え、云々。」
「草原や雑木林の湿性地に生える多年草で、云々。」
と書かれてます。
自生地を襲う洪水などで運ばれた泥土は栄養分が高く、
草原や雑木林の落葉などはミミズなどの餌になる。
そんな環境の自生地に、
鹿沼土は存在していませんよね。
鹿沼土にミミズは生息しませんよ。

鹿沼土はPH4〜5、赤玉土はPH5.5〜7位。
桜草自生地もPH5.5〜7位と推察され、酸性度が高い鹿沼土は、桜草栽培に適さないと考えます。
現に、私も鹿沼土主体の用土で育てたときには、うまく育ちませんでした。PHが違うんですよ。

桜草を山野草だと捉えて鹿沼土を使っているようですが、桜草は野草。
桜草は朝顔や菊栽培の古土で育つと紹介しているサイトもあります。
朝顔や菊栽培に鹿沼土は使いませんよね。桜草にも鹿沼土は合わないですよ。  

Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草の育て方

2012年02月23日

仙台白という品種

ネットオークションに仙台白という品種で出品された桜草がありました。
出品者は京都の方でしたが、大変興味深かったので、Blogネタにしました。

【 仙台白 】 サクラソウ野生種 希少系統保存品 山野草
・ 宮城県仙台市産のサクラソウ野生種・系統保存増殖品です。
・ 「白」とありますが、淡いピンクの大輪美花が咲く系統です(画像ほど、青味は無いです。)。
・ 分与して頂いた愛好会の方の話では、仙台およびその近隣地では、いわゆる雪白の白花が産出せず、最も白色に近い淡色の花を「白花」とした経緯があるとのことです。
・ 画質悪い。ここまで花色に青味は無いです。



私が宮城県に桜草の白花が在ることを知ったのは
昨年仙台市野草園で開催されたさくらそう展で、
仙台さくらそう会の浦澤儀行さんと出逢い、お話しを伺い、ご自宅で見せていただいたのが最初です。

浦澤さんいわく「仙台の白は純白ではなく、駒止や御殿桜のような酔白です。」
「それで私は産地(仙台市青葉区国見町)から勝手に命名して『国見酔白』と呼んでいます。」
と話してくれました。さらに、発見された仙台の白は、その1株だけ。
(自生地から見つけただけの野生品種なので、命名するのははばかれる意志のご様子でした。)

『国見酔白』は、仙台さくらそう会の顧問を努められた故ワタナベ ショウカクさんが
発見したモノで、それを浦澤さんが譲り受けたモノであり、なかなか増えないこともあり
誰にも譲渡していないので、私の他には持ってないと思いますよ。
と言われたのですが、京都の方が持ってらしたことは驚きです。

京都の出品者に、誰が仙台市の白花を譲渡したのか。
京都の出品者に、仙台白を譲渡した愛好会とは?
譲渡した人は、誰から、何所から、仙台市の白花を入手したのだろうか?
譲渡した人は、「仙台およびその近隣地では、云々」と説明しており、産地は幾つもあるというのだろうか?

浦澤さんが話してくれたことで、私がうろ覚えで恐縮なのですが、
先代の仙台市野草園の園長が七ヶ宿へ転勤となり、
その地で出会った山野草を写真に撮るのを趣味としている人が
『場所は絶対に教えないけど、白い桜草の写真を撮ったことがある。』
といって見せてくれた花も、『国見酔白』と同じだったので
その写真を浦澤さんもご覧になったそうです。
それゆえ「“この辺り” の白は、云々」と話してくれたわけですが、
浦澤さんと園長をもってして、2例しか存在を知らない花です。

浦澤さんは、『国見酔白』の他にも仙台市と近郊の野生品種を所有されていますが
仙台市青葉区国見町のように、町番地まで記して栽培されており
『仙台白』などと大雑把な表記をされると到底思えないのですが・・・。
上記画像のように、他の地域の野生品種と見比べると、確かに色は薄いですが・・・。

2011年5月に浦澤さん宅で撮影してきた『国見酔白』(たぶん)。




仙台市泉区寺岡には『寺岡』があり、泉岳には『泉岳』が存在します。
遠地の方にとっては、総称として宮城県の野生品種『仙台』で良いのもしれませんが
以前にも書きましたけど、『仙台』などという品種は存在しないのです。

これも以前一緒に書きましたけど『山形』で出回っている野生品種も滑稽です。
遠地の人にとって『山形』は山形なでしょうけど
山形県の者にとって『山形』は山形市であり、山形県ではありません。
山形市がある内陸地方に桜草は自生しておらず、自生地は庄内です。
ただ、内陸地方の各地町村では春になると山野草展が盛んに開催されており
桜草も数多く出品され、頒布されています。
山野草展の出品者に尋ねると、全て購入品だそうです。
『野生種の赤』を購入してきて、名札に『野生種』と書いて出品。余剰苗を販売。
内陸地方には山形新幹線も走っており、観光で桜草を買って持ち帰り
「山形で買って来た『野生種』よ。」ということになったり
「山形の友人から送ってもらった『野生種』なんだ。」ということ等で
『山形』という品種になった可能性も無きにしも在らずです。

私から言わせてもらえば
存在するなら仙台市青葉区国見町産の『国見酔白』のみである。
それ以外で『仙台白』が存在するなら、浦澤さんと私にとって、大ニュースとなるでしょう。
野生品種として出回っている『仙台』『山形』は、あてにならない!

・・・庄内平野の桜草を『庄内』と呼ぶ私も批難される対象かな・・・  


Posted by さくら at 19:00Comments(2)日本桜草について

2012年02月23日

宇宙サクラソウ

さいたま市出身の宇宙飛行士若田光一さんが宇宙へ持って行った錦が原の桜草を
宇宙サクラソウということは知っていますが、いつの飛行でなん株持って行ったのか、
戻って来た株を、根茎で増やしたのか採取した種子を育成、栽培したかは、私は知りません。
そんな宇宙サクラソウは通販サイトにも登場しますが、
宇宙メダカのようなもので、経歴だけの存在だと思っていましたが、
こと桜草に関しては、そうではないようです。


野生品種とは思えない花容に、
日本に持ち帰ってからの栽培で、別の園芸品種と取り間違えたのではないかと思えるほどですが、
名札には番号が振ってあり、こまかく管理されているようですから
「宇宙」帰りの実生品にたくさんの変異株が出た。ということなんでしょうね。
この多彩な変化ぶりは、凄いですね。
これが数多くの園芸品種を生んで来た桜草の特性なんですね。面白いなあ〜♪


  


Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草について

2012年02月23日

加茂荘八重咲き桜草販売再開(今期終了)

加茂花菖蒲園のオリジナル八重咲き桜草の通販が再開されましたicon12icon14
(受注は2012年2月末日の注文書到着分までなので、今期は終了。来年も販売してほしいですね。)
『雪の舞』は異種同名になっていただけに、『友鶴』へ改名されました。対応が早ですわ。

注文は1人1品種につき1芽。

注文方法
6.e-mailアドレス またはFax番号
Fax または郵便にてご注文ください。
電話でのご注文はお受けできません。
発送時期と地域:発送は2012年2月末日の注文書到着分まで。発送地域は日本国内に限ります。
ご質問などについて:ご質問は電話にてお願いします。必ず電話でお願いします。
平日08-17時まで。担当者、一江(いちえ)。電話番号 0537-26-1211。

ご注文および連絡先
郵便番号436-0105 静岡県掛川市原里110
加茂花菖蒲園
担当:一江、梶浦(かじうら)
電話0537-26-1211
ファックス0537-26-1213







  


Posted by さくら at 06:00Comments(0)日本桜草12

2012年02月22日

桜草の育て方.4-4

【 桜草の栽培イメージ.1 】
植物を栽培する際に、自生地の生息環境をイメージしておくことは、大切だと考えます。
桜草の場合、自生地の多くは消滅してしまい、私は自生している姿をみたことがありません。
それでも自分なりの自生地へのイメージを持って栽培しています。
滑稽な推察での話しなので恥ずかしいのですが、自分が持っている桜草のイメージを記してみます。


・桜草は水辺の植物ではない。
鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』の内容は、品種名と由来、読み方などは根拠がなく信憑性が問われますが、
鳥居恒夫氏は植物の専門家ですから、深谷鉢の斡旋文以外では、桜草を水辺の植物とは一言も書いていません。
書いていませんが、使われている単語から、我々は勝手に水辺の植物と勘違いしてしまうようです。

『色分け花図鑑 桜草』10ページ『サクラソウ(桜草)という草花』には
「関東から中部と山陰、九州では高原の湿性地に生え、云々。」
「草原や雑木林の湿性地に生える多年草で、云々。」
と書かれていますが、
湿性地とは、一般的に連想してしまう湿地のことではありません。

語弊があるやもしれませんが、
河川敷が湿性地。普段は普通に歩ける土地だが、雨が激しく降ったり川が大増水すると潅水するような場所。
湿地はぴちゃぴちゃ水が張った泥濘(ぬかるみ)。浅い沼地、その水辺。
湿地は常に湿っていたり潅水しているので歩くと汚れるし、水辺の歩行は困難。トンボや蚊など水生昆虫が生息し、水草が生えている。

また鳥居恒夫氏は著書を図鑑と銘打ち『湿性地』という文言を使いながら、
説明を噛み砕いきすぎたのか、誤解を招く文言を使いました。
12-13ページ『高原の山地から流れ下り 江戸で花開いた桜草』に
「増水による泥土の堆積が大増殖を促した」とありますが、泥が堆積したのではありません。

『泥土』は文字通り泥と土ですが、一般には「泥の土=泥」とイメージしてしまいますよね。
さらに葦は河川敷にも沼地にも、どちらにも生い茂りますから、
『葦、湿性地・増水・泥』というワードから連想して、
桜草を水辺の植物=湿地の植物と勘違いして捉えてしまっているようです。

でも、増水によって堆積したのは『泥土』ではなく『砂礫』と捉えるべきです。
なぜなら、その答えは『色分け花図鑑 桜草』154ページにあります。
「江戸っ子は旬の白魚と桜草をてみやげに春を楽しんだとされる」と鳥居氏が書いているのです。
白魚は産卵のため海から遡上してきますが、泥地には遡上しません。綺麗な砂礫の川に遡上するのです。
それに、時代劇にはよく行商のシジミ売りが登場しますけど、シジミも泥には生息しません。砂礫です。
白魚とシジミが生息している川原に桜草が自生しているなら、
桜草は泥の中に自生していたのではなく、砂礫の中に自生ていたと捉えて栽培しています。

砂礫ですから、通気性と通水性抜群で、さらさらパラパラです。
浪華さくらそう会会長山原氏のBlog日本の桜草と美術『鉢開け続く』2011年10月27日をみますと
鉢開けした用土が砂礫のようにさらさらパラパラです。こういう用土が栽培に適しているのだと感じています。
(関東地方は湿度が低いなど、用土造りと潅水方法などは地域で違いますから、ご注意あれ)



もう一つ、
12-13ページ『高原の山地から流れ下り 江戸で花開いた桜草』で誤解を招いてる記述があります。
「荒川の肥沃な氾濫(はんらん)原に咲く桜草は水位の低下と洪水の減少から乾燥化が指摘されるが、云々。」

『水位の低下で乾燥化が指摘される』という記述は、おかしいです。
荒川も大河ですから、年間を通して季節毎に水位は変動したはずです。
山形県を流れる最上川も季節で水位は変わりますし、
桜草の自生地が在ったであろう赤川の水位も変動します。
釣りの参考にしている現代の水位計測地点では、雪解けの時期と夏場では、水位が1.5mは違います。

桜草は春一番に開花しますから、自生地は雪解けで増水しても潅水することなく、
花を愛でるのにぬかるむこともなく観賞できる高さに自生地があることになります。
そして草木に覆われ休眠している夏場の川の水位は、増水時より1.5m以上低いことになります。
つまり、乾燥化が原因ではなく、湿地化しないことが要因というべきです。

濡れた所が乾燥したから自生地が減少したのではなく
乾燥してる場所が濡れなくなったから自生地が減少していったのです。

私の桜草へのイメージは
・桜草は湿地の植物ではない。水が好きな乾き易い砂礫の植物。
・白魚、シジミ、イバラトミヨ、ホトケドジョウ、シマドジョウ、タリタナゴ、イシガイ
 等が生息するような砂礫の河川敷の葦原に共生していた。
栽培へのイメージのキーワードは『砂礫(通気性)と湿気(通水性)』
・濡れた土地(泥や土)が自生地ではなく、乾燥した土地(砂礫)が自生地。
・砂礫なので通気性と通気性が良く、保水性が弱いので、潅水が肝要で欠かせない。

こういうイメージを保っているので、
内側まで全部釉薬を塗られた鉢より、通気性と通水性が良い、通水性伝市鉢や駄温鉢を勧める次第です。


閑話
当Blog 2012年02月21日『 桜草の育て方.4-3』より抜粋。
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2012年02月16日「桜草の育て方.2」で
私は
『なにより深谷鉢の茶色を勧める、さくらそう会の先人たちは卑怯です』
と書きましたが
この楽老さんの記事が『桜草栽培の諸先輩たちの本音』に感じたので、此処に紹介したいと思います。
----------------------------------------------------------
サクラソウ鉢が通気性の悪い鉢を用いるのはサクラソウが湿原植物であるという認識に基づくものと思われます。これについては疑問があります。私の経験ではいつも湿った状態にしておいたサクラソウは大半が根が腐って枯れました。
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(中略)
そしてさくらそう会HPには 『桜草鉢の斡旋  深谷市のカトウ(有) 製造鉢を斡旋』 とあり
桜草栽培に適しているから紹介している分けではないのです。
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鳥居恒夫著『色分け花図鑑 桜草』134ページ『桜草鉢』より抜粋。
「釉薬がかけてあるので乾燥しにくく、湿地生の桜草にかない、云々。」
つまり『湿地生(湿地生まれ)の桜草に適っている』と記載されてますので
楽老さんでなくても、桜草を湿地植物と思い込んで栽培しても、当然ですよね。
桜草を湿地植物のイメージで栽培すると、根腐れします。ご用心ご用心。  


Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草の育て方

2012年02月21日

伝市窯の鉢

ネットオークションで伝市窯の鉢を入手しました。

銘もなく普通の中古の鉢として出品されていましたが、
土と高台から伝市窯の登り窯で作られた鉢だと直感。
自分の勘に興味が沸き入札。他に入札者もなく落札。(^^)



植木鉢や骨董など初めてのことで心配でしたが、
『伝』の落款があり正真正銘伝市窯の鉢でした。



ネットで調べると、伝市窯の登り窯で作られた『ふくろ型』鉢というらしい。
ネットに載っていたのは、ふくろ型鉢6号で、サイズは外径180mm、内径160mm、高さ80mm。
手元にある鉢のサイズは若干楕円に歪んでいるが、
おおよそ外径150-157mm、内径130-140mm、高さ80mmなので、5号のようです。

ロクロで作られた鉢なので手のひらで整形されており
当たり前と言われたら当たり前なのかもしれませんが
手に持つと、しっくりと馴染み、優しく包み込むようなフィット勘があります。
実際に山野草を育てている方が作っているから、
植物への思いやりが、共通した温かいぬくもりみたいな感触を鉢に残せるのかもしれませんね♪


伝市窯の鉢は高価な印象を受けますが、窯から直接購入すれば、通常の鉢と同じような値段で安いです。
形状を問わず普通焼きの5号は500円。6号600円。
登り焼き5号は800円。釉薬鉢は5号1100円、6号1200円。
梱包料金1箱に付き600円掛かりますが、
1箱にだいたいですが4号鉢なら20個、5号と6号鉢なら12個梱包できるそうです。

伝市窯香炉型5号のグレーの釉薬鉢とかみ山陶器の信楽焼き桜草鉢5号。赤茶色も良いですね。

  

タグ :伝市

Posted by さくら at 19:00Comments(0)桜草の鉢

2012年02月21日

桜草の育て方.4-3

【 桜草の育て方.4-3 】
カトウ(有)オーキット取り扱い深谷鉢の黒を紹介されていましたBlog楽老『サクラソウ鉢 2011/11/03』に、
興味深い記述が載っていました。
2012年02月16日「桜草の育て方.2」で
私は
『なにより深谷鉢の茶色を勧める、さくらそう会の先人たちは卑怯です』
と書きましたが
この楽老さんの記事が『桜草栽培の諸先輩たちの本音』に感じたので、此処に紹介したいと思います。
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サクラソウの培養には従来、独特のサクラソウ鉢が用いられてきました。江戸時代には現代のように多品種の鉢を安価に購入することはできませんでした。そこで味噌や塩を入れる日常雑器の底に穴をあけ植木鉢として利用しました。それが孫半斗鉢と言われるものです。現在のサクラソウ鉢は孫半斗鉢を手本にしたものです。
(中略)
サクラソウ鉢が通気性の悪い鉢を用いるのはサクラソウが湿原植物であるという認識に基づくものと思われます。これについては疑問があります。私の経験ではいつも湿った状態にしておいたサクラソウは大半が根が腐って枯れました。
(中略)
乾燥しすぎるので良くないとされている駄温鉢でも良く育つのです。サクラソウ鉢で作落ちしたサクラソウは駄温鉢で回復します。しかしサクラソウ鉢で大変良く育つという人もいるので私の管理の方法に問題があるのかもしれません。
----------------------------------------------------------

我々若輩者や桜草栽培の新参者が、さくらそう会公認の深谷鉢を使う理由は、単純明快。
さくらそう会の先人たちが勧めるからに他なりません。
しかしこれは、我々の無知へ付け込んだ、さくらそう会の名を馳すための悪巧みではないでしょうか。

さくらそう会公認の深谷鉢は
『江戸時代に植木鉢の選択幅は狭く、安価であることもあり、孫半土鉢が桜草鉢に使われ始めた。』
そんな孫半土鉢を見本に造れた鉢であり
先人たちが試行錯誤された長年の栽培経験から生み出された分けではありません。
内側まで全部釉薬を施された釉鉢は、通水性と通気性が悪く、
しかも鉢底の排水口が小さい深谷鉢は、栽培に適しているとは思えないのです。

さくらそう栽培の諸先輩たちから勧められた深谷鉢を疑うこと無く使い、
栽培が上手くいかなければ、楽老さんのように自己反省し、
研鑽を積もうと励むのが大人としての常識かもしれません。
しかしネット上で視てみれば
内側まで全部釉薬を施された鉢など関東地方以外では使っていませんし
一般的な栽培では、乾燥しすぎるので良くないとされている駄温鉢で育てています。

内側まで全部釉薬を施された鉢が栽培に適しているなら、全国的にそうなるのが自然ですが
横浜さくらそう会一番人気は伝市鉢の丸形ですし、伝市鉢の丸形は他でも人気です。
他では焼き締めの鉢が多く見受けられ、内側まで全部釉薬を施された鉢は、
鳥居恒夫氏が世話人代表を努めている、さくらそう会だけです。

そしてさくらそう会HPには 『桜草鉢の斡旋  深谷市のカトウ(有) 製造鉢を斡旋』 とあり
桜草栽培に適しているから紹介している分けではないのです。

根腐れさせてしまった話しは良く聞きますが
乾燥しすぎるので良くないとされている駄温鉢で枯らしてしまったという話しは聞きません。
深谷鉢で上手に育ている方も居りますけど、
さくらそう会公認深谷鉢は
桜草栽培にもっとも適した鉢として奨励され、使われてきた鉢ではない
ということです。

高野山麓 橋本新聞『桜草100種類100鉢満開、花さか奥さん見事』和歌山県橋本市


伊那毎日新聞 『なんと雅な桜草ものがたり』 南信さくら草会会長 小林章吾さん(80) 


ウ泥の朝顔鉢で育てられている方も。



桜草で有名な高鴨神社。親子三代で受け継がれている桜草です。


使われている鉢は寸胴型。伝市窯では1鉢600円、黒い釉薬鉢が1100円です。
黒い釉薬鉢は展示用らしく、バックヤードでは使われていないようですね。


諸先輩いわく「鉢は同じモノを揃えなさい。」と異口同音に教わりました。
上記の展示と栽培の様子をみますと、言葉通り、個々で同じ鉢を使われています。
桜草栽培は毎年毎年試行錯誤の繰り返しだから、栽培の基礎とすべく、使う鉢を定めなさい。
という意味だと受け取りました。同一のモノで栽培していくのが上達のコツらしいです。

展示するにも鉢に統一感が在った方が、見栄え良く、桜草の美しさも倍増です。


  


Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草の育て方桜草の鉢

2012年02月20日

桜草の育て方.4-2

【 桜草の育て方.4-2 】
現代で購入可能な桜草鉢は、2012年02月16日『桜草の育て方.2』で紹介しました。
その中から何を選ばれようが個人の自由なので、これは飽くまで私感ですが
鳥居恒夫氏が世話人代表を努めるさくらそう会公認の
カトウ(有)オーキット取り扱い深谷鉢を購入されるなら断然黒が良いですよ。

仙台市野草園で開催された仙台さくらそう会の展示会で深谷鉢の茶の釉薬鉢を見ましたけど
深谷鉢の茶の釉薬は、テカテカ光る屋根瓦そのもので、現代の壷と同じ釉薬ではないのかしら。
さくらそう展で観賞していると、鉢がテカテカ光って目が疲れました。
あれはセンスが無く、清楚で可憐な桜草の花に合いませんよ。下品です。



なにより深谷鉢の茶色を勧める、さくらそう会の先人たちは卑怯ですよ。
江戸時代から使われてきた、孫半土鉢の形状を忠実に再現した、桜草鉢としての伝統の形状。
という旨を吹聴しながら、当の本人たちは展示会では使わないのですから。
昭和30年代頃の鉢を十分な数を所有している事もあるでしょうけど
色とテカリが桜草に合わないことを、絶対に理解してるんですよ。

下記画像はBlog『いい、おしめりですネ・・・・・』さんから拝借して展示会風景です。
使用されている鉢は、そのシルエットから、かみ山陶器作製信楽のさくら草鉢マンガン釉と推察しますが
落ち着いて桜草を邪魔してませんよね。桜草鉢はテカらない方が断然好いですよ。



屋根瓦と現代の壷と同じ色艶が、長年使用することで趣ある飴色に育ってくれるとは思えません。
一つだけテカってることからも、モノ(釉薬)が違うんですよ。飴色に育つのなら良いのですが・・・。


先人たちが使われている深谷鉢と現在の深谷鉢の釉薬は絶対別物ですよ。下記画像はサムネイル。




江戸時代に使われた孫半土鉢を手本に造らせたというだけで
こういう似て異なる別物を、有り難がっていてはいけない!
自己判断で鉢は選ばなくてはいけないと、飽くまで個人的に思うわけですよ。
深谷鉢を買うなら花と葉の色彩が映える黒が良い。
私は黒い釉鉢と焼締め、自然釉が好きだというだけの話しです。



諸先輩いわく「鉢は同じモノを揃えなさい。」と異口同音に教わりました。
上記の展示と栽培の様子をみますと、言葉通り、個々で同じ鉢を使われています。
桜草栽培は毎年毎年試行錯誤の繰り返しだから、栽培の基礎とすべく、使う鉢を定めなさい。
という意味だと受け取りました。同一のモノで栽培していくのが上達のコツらしいです。

展示するにも鉢に統一感が在った方が、見栄え良く、桜草の美しさも倍増です。



  


Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草の育て方桜草の鉢

2012年02月19日

桜草の育て方.4-1

栽培方法に関するワード検索で訪問してくれた方用に書き始めたシリーズ『桜草の育て方.』。
直接栽培に関係無いことですが、鉢に関するアドバイスを、私論として記したいと思います。

【 桜草の育て方.4-1 】
桜草を栽培する鉢や容器は何でも構いません。構いませんけど、
栽培している以上は今後何年も育てていく分けですし、
家ではスエットでも、外出時には多かれ少なかれ洋服に気を使うように、
見られるこもあるのですから、お洒落に飾ってあげたい。
子供の洋服に気を使うように、観られることも考えたら、陶器の鉢で栽培してあげたい。
陶器の植木鉢は使い込むほどに深い味わいが生まれます。プラ鉢や駄温鉢に、その趣きはありません。


駄温鉢栽培をみっともないと言うつもりは、私も使ってますし、毛頭在りません。
ただ最近歳とったせいでしょうか、心変わりしてきたんでしょうかねえ。
意識してなくても、気づけば5年10年と育てている植物、お宅に有りありませんか?
どうせ長い歳月観賞することになるなら、歳月とともに味わいでる鉢を使い、鉢を育てたい。
そんな風にも考えるようになりました。

1鉢1100-1300円すると思っていた伝市鉢が、窯元直売で500-600円と知った時には驚きましたし
↓こういうこともある分けですよ。と、いうことで、陶器の鉢植え栽培をお勧めする次第です。face02
ブラタモリ 2012年2月9日放送 『 街の樹木・植物 』 動画はこちら→ 【youku】

  


Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草の育て方

2012年02月17日

桜草の育て方.3

桜草の栽培に使う鉢は、排水性が保たれていれば
植木鉢(陶器・プラ鉢)・プランター・発泡スチロール、何でも結構です。
素敵な植木鉢と出合ったら、それを使えば良いのですが、
鉢底の穴が小さい時には、穴を大きくして、排水性を高めてあげます。
桜草は通水性と通気性高い用土を好み、蒸れに弱いので、
プラ鉢・プランター・発泡スチロールでも、留意しましょう。

プラ鉢は通水性と通気性がありませんが、鉢底全面がメッシュで排水性は高いです。
釉薬が塗られた鉢は、プラ鉢同様に通水性と通気性が無いのに、鉢底の穴は一つです。
蘭鉢の鉢底の穴は一つですが、大きく空いています。
釉薬が塗られた鉢は一つの美であり作品かもしれませんが、
鉢底の穴を削って大きく広げ、排水性を高めてあげるのも一考です。

私が使っているプランターは高脚ではないので通気性が悪いので
底部側面にも8-10mmの穴を開け、通気性を高めて使っています。

発泡スチロール箱で栽培される時には、直接地面に置かず、
板やレンガなどを下に敷いて空間を保ち、排水性と通気性を確保させましょう。

鉢のサイズに関しては、植え付ける根茎の大きさと苗数にもよりますが
保水力の関係から鉢の高さ最低7〜8cm以上必要で、12cm以上あれば安心です。
駄温鉢深鉢3号のように高さ8cm前後あっても鉢容量が少ない小さい鉢では
保水力弱く(水分が足らず)枯らしてしまう危険性がありますので、
駄温鉢深鉢4号以上、駄温鉢平鉢=浅鉢なら5号以上をお勧めします。
ちなみに、駄温鉢平鉢5号サイズ:直径15.5cm、高さ7cm、鉢底径10.5cm 。





1鉢に何芽植え付けるかは、根茎の大きさと苗数にもよりますが、
開花したときの、花と葉と鉢からくる美のバランスから、5号鉢に4芽植えが基準視されています。
とはいうものの、ウチの場合は幸いにも成育状況が良いらしく、
根茎が大きく根数が多く根も長いため5号鉢に4芽植えは窮屈なので
5号鉢に3芽植え、6号鉢に4芽植えで栽培しています。

『根が長いなら、5号鉢に4芽収まるように、根を切り揃えて植えたらいいのに。』
とも言われそうですが、逆に言わせてもらえば
5号鉢に4芽植えできる個体は、十分に育ってない可能性があるのではないでしょうか。
果物や野菜だって、大きなプランターでは良く育ち、美味しい実がつきます。
根茎が小さく根の本数が少なかったり、根が短い苗の時には
『5号鉢に4芽が十分収まる』『5号鉢に4芽植えが基礎だ』と固執せず、
5号鉢に3芽植え、6号鉢に4芽植えされてみるのも一考かと。

Blog日本の桜草と美術『2011年10月27日 鉢開け続く』より画像拝借。
浪華さくらそう会の山原さんは6号鉢4芽植えで栽培されています。目標根鉢!face02

  


Posted by さくら at 13:00Comments(0)日本桜草の育て方

2012年02月16日

桜草の育て方.2

桜草の栽培に関するワードで当Blogを訪れてくれた方は、
これから植え替え作業を始めるか、今まさに植え替え作業中の方だと推察します。
そこで今日は取り急ぎ、現在購入できる桜草鉢のことを書きたいと思います。
(さくらそう鉢 さくら草鉢 サクラソウ鉢)

現在購入可能な桜草鉢の窯元は下記の2社しかないと思われます。
かみ山陶器作製
・丹波立杭の市野伝市窯

かみ山陶器作製では信楽のさくら草鉢5号を製造販売されており
石田精華園みやこ花壇などで販売しています。
釉薬には鉄釉(鉄赤)とマンガン釉の2色が在りますが、
マンガン釉には黒っぽいのとグレーっぽい2色が存在するようです。

価格は各販売店で違うようです。
サイズは1つしかなく、外径160mm 高さ115mm。
開口部が広がっているだけなので鉢の容量は小さく、植え付け位置の実用内径が狭いので、実質駄温鉢4.5号感覚かと。





市野伝市窯は鉢専門の窯で、山野草愛好者に伝市鉢として大変人気があります。
伝市窯には
ガス窯で焼いた普通焼き(型で成形した鉢:香炉型と丸形、寸胴型)と
登り窯で焼いた登り焼き(ロクロを使った手作り鉢:香炉型)があります。

桜草鉢として使われている鉢には、香炉型と丸形、寸胴型の3ツの形状があります。
横浜さくらそう会では一番人気といわれる丸形が、全国的にも一番愛用されている鉢だと推察されます。
↓Blogこども植物園・横浜児童遊園地BLOG『2011月4月19日 日本さくらそう展が始まりました。』より画像拝借。



更に各鉢に釉薬を施した釉薬鉢が存在し、色は黒、グレー、グリーンの3色があります。
鉢の内側の釉薬の塗り具合が、鉢上部だけなのか、鉢底までなのかは未確認。
下図左の黒い釉薬の寸胴鉢は
Blog日本の桜草と美術『2010年11月25日 私の使用する桜草鉢』より画像拝借しただけのイメージです。



鉢のサイズは
普通焼きは型取って成形しているため4号-5号-6号。
寸胴型は「昭和50年頃に浪華さくらそう会に依頼され作製した1サイズのみ」とのことでしたから5.5号。
登り焼きも基本的には4号-5号-6号。ロクロを使った手作りなので4.5号-5.5号も可能とのこと。
↓下図は伝市寸胴型鉢。Blog日本の桜草と美術『2010年11月25日 私の使用する桜草鉢』より画像拝借。



伝市鉢の値段
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Blog日本の桜草と美術『2011年12月03日 浪華さくらそう会 初冬の役員会』より抜粋。
聞いたところによると丹波の商習慣として、窯元が出荷する時、業者でも素人でも値段は同じだという。
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ネット上の伝市釜の販売価格は、普通焼きも登り焼きも大変高価ですが
伝市窯では、香炉型と丸形、寸胴型(6号鉢扱い)共通で
普通焼きの5号鉢500円 6号鉢600円(ネット上の価格の2分の1以下)
登り焼き5号鉢800円 6号鉢900円(ネット上の価格の3分の1から4分の1)。
普通焼きの釉薬鉢5号鉢1100円 6号鉢1200円。(ネット上では販売されていない。)

ネット上でみつけた登り焼き香炉型5号は、手作りだけに印象が違ってみます。
下図の真ん中は、山野草とミニ盆栽誌に載っていた登り焼き香炉型5号です。



普通焼きの釉薬鉢の現段階での在庫は、黒の香炉型5号と6号のみ。
寸胴型鉢の在庫は現段階で無し。
香炉型と丸形、寸胴型とも釉薬鉢を製作可能で
注文には1鉢から応じているとのこと。

発送には梱包料600円、料金着払い。代金振り込みとなってました。
問い合わせと発注は電話かファックス、e-mailですが、
質問や在庫の有無など問い合わせても、返信には5-7日掛かりますから、気長に待ちましょう。
注文しても、翌日到着なんてことは絶対に有り得ないので、ゆとりをもってオーダーしましょう。
ネット上の何所ぞの園芸店での話しですが、登り焼きが納品されるまで3ケ月かかったらしいですから
次年度用に今からオーダーしておいた方が良いかもしれません。(笑)


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桜草鉢ではありませんが、
2012年01月24日『国華園の円柱型駄温鉢.2』で紹介した国華園の円形型駄温鉢は、お勧めです。
通常の駄温鉢より筒状になっているため、植え付け位置の実用内径が広いのです。
注文して1週間ほどで届きましたので、今からでも間に合うと思います。
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鳥居恒夫氏が世話人代表と務めている、さくらそう会公認と広言している深谷の釉鉢5号は
ネット上で広く紹介されていますが、何所で販売しているのか、入手方法が全く分りません。
Blog『いい、おしめりですネ・・・・・』さんの記事を読むとカトウ(有)という所で取り扱っているようです。
『カトウ(有) 深谷』で検索すると
『カトウ(有)オーキット部は熊谷・深谷の農園・園芸。』がでましたが、ここでしょうか?
さくらそう鉢の購入先 2009年12月07日
さくらそう教室の鉢を購入 2010年12月12日
サクラソウ教室の「鉢」を購入 2011年12月24日


写蕎楽人さんから深谷鉢の情報をコメントに寄せていただきました。
上記深谷鉢の販売先は『カトウ(有)オーキット部』で良いそうです。
Blogいい、おしめりですネ・・・・・『さくらそうの鉢・・・・3 2010年10月17日』には「黒い色の鉢もあります。」と記してあります。
黒い色の深谷鉢の存在は知りませんでしたから検索してみますと
Blog楽老『サクラソウ鉢 2011/11/03』で紹介されていました。好い感じ色合いですね♪


  


Posted by さくら at 13:00Comments(2)日本桜草の育て方桜草の鉢

2012年02月15日

桜草の育て方.1

最近このBlogのアクセス数が増えています。face06
不思議に思い管理者画面にある検索キーワードで視てみると
さくらそう さくら草 桜草 サクラソウ
日本さくらそう 日本さくら草 日本桜草 日本サクラソウ
育て方 栽培 栽培方法 植え替え 植替
などのワードで訪問してくれており、今が植え替え時期だからのようです。futaba

私はプランター栽培が主ですし日本海側で栽培していますから、
太平洋側の方とは栽培環境が違うため栽培方法にも違いがあるようで
誤解を招いて枯らしてしまわぬよう栽培に関して多くを書かずにきました。
しかしそれでは栽培方法に関するワードで訪問してくださった方々に申し訳ないので
取り急ぎ、一般的な植え替えの参考になるサイトを紹介することにしました。


Blog『草花好きのひとりごと』
http://blog.goo.ne.jp/kuma0825/
HP『くまさんの庭』より『我が家で咲いたさくらそう』
http://www2s.biglobe.ne.jp/~aac-kuma/sakuraso.html

埼玉県花と緑の振興センター サクラソウ 月別作業
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/sakurasou/901-20100106-172.html

Shop HP『道草園』より 日本桜草植替講座
http://www13.plala.or.jp/michikusaen/sakurasou.html

HP『浪華さくらそう会』より
桜草の作り方:http://www.sakurasou.jp/sakurasou3.htm
栽培管理:http://www.sakurasou.jp/sakurasou4.htm

Blog『趣味でさくらそう』
栽培方法:http://shumien.web.fc2.com/sakurasou/saibaiho/index.htm

HP『沙羅ちゃんちの花育て 』より 初心者の桜草栽培顛末記
http://sarachanti.ame-zaiku.com/primurasieboldii.html
(河川敷の葦原に自生していたとされる桜草は、
 洪水でも流されないように、葦根に根を絡ませているそうですし、
 洪水で運ばれた砂礫や枯れ草に埋もれないよう根茎を植えに伸ばす習性があり
 根は浅く水平に伸びますから(ゆえに増し土が必要となり深植えも厳禁)、
 べたっと根を広げて立体的に根を下に深く植える必要はありません。)
(Blog『楽老』さんサクラソウ防寒対策作成日時 : 2012/01/24より抜粋
 「霜柱の被害」、霜柱で植え付けた根が浮き上がり雨のために完全に露出したものです。
 サクラソウの耐寒性は非常に強く鉢の土が凍り付いても枯れません。
 しかし霜柱のより浮き上がった根は乾燥に弱いのです。
 http://mkawa.at.webry.info/201201/article_24.html
 ↑根を立体的に深く植えると霜柱で根が浮き上がった際に、根が千切れると聞きます。
 なので、立体的に根を下に深く植えない方がよろしいかと考えます。



動画 youtube naniwasakurasoukai さんが 2008/12/29 にアップロード
日本桜草の植え替え
http://www.youtube.com/watch?v=QQOi65hsdvg
日本桜草は12月~2月に植え替えをします。
私はたくさんありますので12月にしますが、一番良いのは2月です。
Blog『日本桜草守の独り言』
http://blog.livedoor.jp/naniwasakurasoukai/

動画 youtube yaezakisakuraso さんが 2011/11/19 にアップロード
桜草の植替え 〔八重咲日本さくらそう〕
http://www.youtube.com/watch?v=C6M8ekau56E
日本の伝統園芸植物の『日本桜草』
毎年11月から翌年2月の間に植替えを行います。
その植え替えの様子を紹介します。
上記動画映像を静止画像で見る→ 2011/11/12 桜草の植え替え(芽分け)を始めました♪
http://sakurasou.at.webry.info/201111/article_6.html
↑Blog『八重咲日本さくらそう』
http://sakurasou.at.webry.info/


これから関連する記事を書きたいと思いますので、タグ『桜草の育て方』で閲覧ください。  

Posted by さくら at 13:00Comments(0)日本桜草の育て方

2012年02月13日

帯笑園の桜草.4

帯笑園が在る沼津市には、浮島沼という湿地帯があり、
桜草も自生している(自生していた?)ようです。

NPO法人 浮島沼自然公園・里つくりの会
http://www.geocities.jp/ukishimanuma/index.html
2010.01.20発行 会報誌No.12より




  


Posted by さくら at 19:00Comments(0)日本桜草12