2011年05月25日

中田地区の庄内白

中田地区で白い桜草の聞き取り調査を続けても、誰一人として知る人が現れません。
「故安野悌治先生から『栽培している人がいる』と聞いて探しています。」と説明すると
親身になって記憶をたどってくれるのですが、見たことも聞いた事も無いそうです。

故安野悌治先生宅とは違う安野さん宅を訪問すると、
開口一番「見たことはある。」と言ってくれましたが
一瞬『しまった』と言う顔付きになり、素っ気ない態度になりました。
突然現れた見ず知らずの中年に、田植えで忙しいというのに、付き合う必要はありませんもの
『早く帰ってくれ』というオーラが見えました。(^^;

それでも基本的に話し好きな方のようで、
庭には禅勝寺脇の葦ヤズ産の庄内赤が栽培されていること。
故安野悌治先生宅の桜草は禅勝寺脇の葦ヤズ産であること。
などなど伊藤さんと同じことを話してくれました。
「白い桜草は見たことはあるような気がする。」
「昔に見たことあるような気がするけど、分からない(思い出せない)。」
とのことでした。

お礼を述べ道へ戻ると、お向かいの庭にも庄内赤が栽培されているのが見えました。
『!』
その瞬間、庄内赤の隣りに庄内白が2本花茎を伸ばしているではありませんか icon05


訪ねると婆さんが出てこられ、見ず知らずの者から庭の桜草のことを少々面食らった顔していましたが
「ウチの庭には、買ってきたモノはない。
 みんな採ってきたり貰ったりしたもの。」
「白い桜草は私が禅勝寺の葦ヤズから採ってきたの。」
といいました。
「でも、白い桜草を誰も知らないし見た事もないと言ってますよ。」
と尋ねると
「だって採ってきたの昔だもの。私が20歳(はたち)の時だもの。」
「これなの安野先生も持ってないよ。」
とスラスラと話してくれて、もうビックリ!!

「20歳の時って、婆ちゃん歳なんぼだ?」と聞くと
「私? 恥ずがしごど。80。」とのこと。
「今80歳で20歳の時に採ってきたということは60年も前?!」
「そうよ♪」とあっけらかんと言うので、またまたビックリです!!

故安野悌治先生がご存命であれば今年94歳と5ケ月ですが、
故安野悌治先生宅のお庭を見る限りでは大の園芸家という風でもなく
近所の桜草自生地が基盤整備で消滅してしまうから救助してきただけのこと。
ヨシコ婆ちゃんは20歳の時に偶然白い桜草をみつけ、珍しいから採ってきたケース。
欲しくて採ってきたから今まで栽培できたのでしょうね。
また、それ以降の人たちが庄内白を見てないのですから、当時から珍しかったのですね。
(荒鍋の大滝ばあちゃんも、桜草をみつけ、珍しいから採ってきたケース。)

庄内地方に桜草は自生していたのか否か。
故斎藤教頭先生がくださった庄内白は、野生品種か園芸品種か。
その答えに、やっと出逢いました。face02icon22icon14

80歳以上の方と、
80歳以下の方とでは、見知っている環境が違うということを、今回も感じました。
同じ集落内、ご近所お隣りさん同士でも白い桜草を知らなかったことは驚きでした。
しかし、訊ねた方々の世代が違うので交流が無く、情報も伝わってないのでしょうね。


本城正憲さま、みつけましたよ。故安野悌治先生がサンプル提供された同じ産地の庄内白を。
この庄内白のDAN分析お願いします♪ face02


今日も快晴。空気がカラッと乾いているのか陽射しのおかげか、今日も過ごしやすい1日だった。
今日の最低気温11.7度。最高気温17.1度。18:40=13.9度。
明日の予想最低気温10度。予想最高気温24度。
明日の降水確率3日連続県内全域午前午後とも0%。波の高さ0.5m。  


Posted by さくら at 19:00Comments(0)日本桜草11

2011年05月25日

中田地区の勘違い

中田地区には故安野悌治先生から桜草(庄内赤)を譲り受けたいう人は多いのですが
大半が枯らして消滅させていました。原因は庭に地植えをしてしまっていたからです。
故安野悌治先生の桜草が自生する庭を見て
『あれが一番間違いのない方法だ』と思い込み、
自分の家の柿の木や梨の木の下に植えてしまったのです。

禅勝寺脇の葦ヤズを知っていた方々は、桜草は水気のある場所に咲くと知っていても
禅勝寺脇の葦ヤズを知らない方々は、柿の木の下の日陰が良いのだと勘違いしたようです。
また、桜草が農薬に弱いことを知らなかったことも原因の1つとなったみたいです。
故安野悌治先生はお隣りの農薬散布も遠慮してもらっていたほどです。

故安野悌治先生と同じ地域の方々は、故安野悌治先生の庭のことも良くご存知で
「故安野悌治先生の庭は凹地で、水捌けが悪いところ。」
「ミョウガは水気のある場所に生える。」
「だからあそこは桜草が生える(繁殖できている)。」
と言われました。
故安野悌治先生の庭は偶然にも、桜草の繁殖に適した環境だったんですね。  

Posted by さくら at 15:00Comments(0)日本桜草11

2011年05月25日

中田地区の葦ヤズ

中田地区の故安野悌治先生宅へ行きました。
柿の木の下は開花していましたが、
新居建設作業中に除雪した雪を置いて於いた画像右側奥は、
雪が遅くまで残っていたことと、土砂に埋もれたことで、小さく芽がでていました。


2007年05月09日『安野悌次先生宅へ』を読み返しますと、
中田地区の1軒で白い桜草を栽培していると言われています。
その言葉を思い出して禅勝寺脇の伊藤さんというお宅から聞き取り調査開始。
「桜草のことなら、安野悌治先生へ行って見たら。」
と切り出されたので色々話しをしたら
なんと、故安野悌治先生の桜草の個体は、
この伊藤さん宅の隣り=禅勝寺脇の葦ヤズから採り出した個体だと証言されました。驚きです!!

禅勝寺脇の葦ヤズは1反歩(300坪)ほどの広さで
桜草は西側=伊藤さん宅寄りにしか生えていなかったとのこと。

私は、
桜草は青龍寺川沿いに広く点在していたと思ってましたが
伊藤さんいわく違うそうで、ごく限れた場所にのみ自生していて
この辺りでは禅勝寺脇の葦ヤズの西側だけに生えており
そこから故安野悌治先生が持ち出したそうで、白い桜草は見た事ないそうです。

もう一軒、お庭には花が多く咲いている家を訊ねると
庭に桜草があり、同じく禅勝寺脇の葦ヤズの個体だそうです。
でも白花は見た事がなく「この辺はピンクだの。」とのことでした。


故安野悌治先生所有の桜草は、多くの方に譲渡さて栽培されていましたし
禅勝寺脇の葦ヤズの個体も同様に、多くの方に栽培されていました。
DNAπ型の庄内赤が残っていることが分かっただけでも収穫ですね。
  


Posted by さくら at 12:00Comments(0)日本桜草11