2007年08月28日

ハナカジカ

みなさん、こんにちは。
私がハナカジカです。

見ての通りのおデブちゃんで、通年安定した水位と水温が保たれた、濁ることも稀な、清らかで冷たい穏やかな流れの‘湧き水の沢’に通年生息しています。内陸の‘湧き水の沢’にも生息しています。



鳥海山麓では広く点在して生息していますが、遊佐の方々は『ハナカジカは、牛渡川だけに生息している』と思い込んでいる人が多く、家の脇の沢や水路に生息していることを知りません。釣ったり捕ったりして食べているというのに、それがハナカジカであることに気付いていない人が多いです。

しかし、『此処には、痩せたカジカと太ったカジカが居る』とチャンと区別しており、「痩せたカジカは暴れるけど、太ったカジカは暴れないんだ。」と特徴までシッカリ捉えていました。「その『太って暴れないカジカ』がハナカジカですよ」と教えると、みんな驚きます。

ハナカジカの鳥海山麓の生息分布図を独自に作成して観てみると、生息エリアが分断されていることに気付きます。冒頭で『湧き水の沢に生息しています』と表記しましたが、肉食魚である岩魚やヤマメの放流事業を長年継続して行ってきたことにより、普通の沢ではハナカジカは食べ尽くされ、絶滅しただけかもしれません。

だって、家の脇の沢や水路ではカジカと共存できているのに、チッソが多く酸素が少ない環境の‘湧き水の沢’に生息する理由は無いでしょ。隠れる石も無い田んぼの用水路=U字溝にも迷い込んでおり、快適な生息を求めてウロウロしているようです。そんな場所にいると、他の魚やサギに喰われちゃうよ。(^^;

ハナカジカの生息地の現状だけをみれば『通年安定した水位と水温が保たれた、濁ることも稀な、清らかで冷たい穏やかな流れの‘湧き水の沢’に通年生息しています』と言えますが、日本桜草の自生同様に、先人達は知らぬ間に、何か重要な過ちを犯してしまっているのではないかと考えてしまいます。


カマキリ(アユカケ)
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e18053.html
カンキョウカジカ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e18152.html
ハナカジカ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e18369.html
ウツセミカジカ
http://nihonsakurasou.n-da.jp/e19331.html  

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Posted by さくら at 07:16Comments(3)その他07