2007年05月31日

急がれる対応 鵜.3

山形県の内水面行政に勤めている方々(県学芸員含め)は、公務員であり、とても研究者とは思えません。勤務時間でしか魚に対峙しない方々ばかりなのですから。

秋田県と宮城県、福島県で内水面行政に勤めている方々は、県学芸員含め、民間と協力して土日を利用してブラックバス駆除活動や各種シンポジュームを開催して、情報交換を頻繁に行っています。全国的な組織もありますが、山形県の内水面行政に務めている方は、誰も参加していません。秋田市で魚類学会が開催された時には、山形県の内水面行政に勤めている方は1名しか参加してませんでした。

NPO鶴岡淡水魚夢童の会の岡部夏雄氏は過去に二冊の本を出版し、県外の県内水面行政関係者や魚類研究者には知られた人物です。とある県の試験場にも岡部さんを知る研究者がおり、その方の所に山形県内水面試験場の方が研修に来られたそうですが、「岡部さんのことを知らないのでビックリしたよ」と言ってました。山形県の内水面行政に勤めている方が岡部さん宅を訪問することはありません。山形県の内水面行政の務めは水産業であり、水産業に関係無いザッコの生息環境調査や保護、環境保全活動は職務に含まれていないからです。とはいえ、郷土の本くらいは読んでほしいものです、岡部さんの本は献本もされているのですから。


2005年、赤川の鮭の簗場でスモールマウスバスが採捕されました。赤川水系には荒沢ダム、月山ダム、八久和川ダムがあり、既にブラックバスは生息していますが、冷水と流水への対応力が高いスモールマウスバスが下流で採捕されたことで、生息・繁殖している可能性がでてきました。それでも「被害届けが出されたら善処しますが、現状は、今後も山形県は生息調査を行わない」と公言しています。ちなみに秋田県と宮城県、福島県では対策を取っています。

その一方では、赤川漁協から精査にだされたスモールマウスバスの個体は「貴重な資料として保管したい」として、赤川漁協に返還されることもなく、内水面水産試験場で冷凍保存しています。でもまあ、これは許しましょう。でも(独)中央水産研究所(分かり易くいうと昔の水産省)には、スモールマウスバスの対策係りが設置されており、此処では全国各地のブラックバスやブルーギル、スモールマウスバスのDNAが調べられ、密放流の経由分布が判明しているそうですが、赤川で採捕された個体を中央水産研究所には資料提供してないんです。だから頭にくるんです。

問題の一つに、“敵のことを誰も知らない”ということがあります。仮にも山形県の淡水魚専門機関といえる内水面水産試験場がですよ、民間から精査依頼された個体を、「貴重な資料として保管したい」ということはおかしいでしょ。標本が欲しければ自分で調査して獲ってこいと言いたい。同時に、赤川漁協もスモールマウスバスを知らないなんて、滑稽です。

外来魚問題があるわけですから、チラシを配るだけではなく、ブラックバスやスモールマウスバス、ブルーギルやギギなどの標本を漁協等関係各所に配るとかの対応があって叱るべきです。今回の鵜のハミ跡なんて、良い例ですよ。淡水魚の調査には、釣り人の協力(情報提供)が欠かせません。絶滅危惧種であるウケクチウグイも同じです。釣り人も『ブラックバス』『スモールマウスバス』『ブルーギル』『ギギ』『鵜』『ウケクチウグイ』を、知っている気になっているだけなんです。これは行政の手落ちでしょ(1尾だけですが、ブラウントラウトも庄内で採捕されているんですよ。何処から来たんだー!)。駆除活動しなくても、外来魚に関心あるなら自ら調査しろよ。美味しい所だけ取るな。フィールドに出てこい。

鵜が定着したら終わりぞ。今度こそ起ちあがれ。動け、働け、山形県!
『全国でも成功例は少なく、駆除の成果は望めなかった』などと詭弁語って仕事サボるなよ!!

今度の鵜は、確実に水産業である鮎を直撃します。かといって鵜の有害駆除は、カラス以上に、思うようにはいきませんよ。カラスと鵜を食べる人はいないでしょうから関心が薄く、おまけに庄内の鵜の営巣地は、恐らく海の磯場でしょうから、卵のすり替え作業も効率よく上手くできるかどうか。既に被害が出ている関東以南の地方から対応策を教えてもらい、今年のシーズン中から行動を起こしてほしいものです。


オリジナル画像が探せず、小さい画像で恐縮ですが、2005年8月に鬼怒川で撮影した鵜の群れです。

一眼レフで撮影してCDに焼いたので、オリジナルは画像が大きかったので、羽数を数えることができました。556羽でした。これは最大級でも何でもなく、ごく普通に、このサイズの群れが幾つも飛行していくのです。

我々が今出来ることとしては、鵜の営巣地を見つけて県に報告することかと考えます。  

タグ :環境

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2007年05月31日

急がれる対応 鵜.2

山形県の水産係(内水面の水産担当部署は、水産課から水産室となり、今は水産係です)と内水面水産試験場は、ブラックバス問題や在来種の生息環境調査・保全には一切関わりません。なぜなら「水産業に関係ないから」です。

ただし、「ブラックバス等、水産業に悪影響が報告され、被害届が出されれば、対処を検討します」と公言しています。その一方では「個人および管理者がいる民間の所有地に、県民の税金を使うことは出来ません」とも言いました(『緑税』とは正反対な主張ですね)。

では一体誰がブラックバス等による被害届を提出できるというのでしょう。民間の所有地以外となると、該当するのは行政の管理箇所になりますが、行政が其処で水産業を行っているわけはありませんから被害が生じることは有り得ません。敢えて存在するというのなら、米沢の内水面水産試験場と冬期間閉鎖する大江町古寺の孵化場、遊佐町のニジマスセンターくらいなもんです。要するに端から遣る気がないのです。

こんな山形県水産係と鶴岡市は、2006年12月25日に合同で、赤川漁協にもマスコミ各社にも通達することもなく内密で大山地区の溜池でブラックバス駆除行為を行いました。なにゆえ外部に内密で行ったのか。それは私のような口うるさい民間人を黙らせるためであり、行政は無関心ではないという対外的なポーズ造りのためです。一度でもブラックバス駆除行為を行えば、公文書に記録を残せますからね。

今回駆除活動した溜池には、数年前まで絶滅危惧種であるシナイモツゴが生息していました。ブラックバスの密放流が確認された初期の段階で県と鶴岡市には報告され「シナイモツゴ保護のためにブラックバスの駆除を行ってほしい」と陳情されたのですが、上記理由から駆除作業が行われることはありませんでした。ほどなくシナイモツゴは絶滅してしまいました。でも、民間からブラックバス駆除要請が有ったことは事実です。

『絶滅危惧種であるシナイモツゴの生息確認は、県の調査では確認できませんでしたが、ブラックバスは確認できましたので、民間の要望通り駆除行為を行い、要望に善処しました。』と報告されては、全てが真実であり、反論できません。(笑)

今回の駆除では40cmを越えるブラックバスも採捕され「こんなデカいのも獲れたよ」と笑顔だったと聞きます。鵜も、現状では民間から被害が報告されていない現状なので、被害が拡大して魚が釣れなくなってから対策を取るのかもしれません。『今日はアユが10尾も釣れたよ。鵜への対策が功を奏して、ツ抜けできました。という喜びの発言が聞かれた』と公文書に記録し、主旨と視点をまやかし成果を誇張するために。(^^;  
タグ :環境

Posted by さくら at 09:00Comments(0)その他07